【猫と食物繊維】粗繊維だけで判断すると便秘を悪化させるおそれも…

野菜は嫌いだと叫んでいる体の愛猫ミミ

こんにちは!レウです。

猫にとっての食物繊維に、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

猫は肉食動物だから肉重視!

穀物や植物は消化に悪いから必要無い!

猫は食物繊維を消化出来ないからよくない!

とまぁ、色々と言われていたりもしますし、どれもが正解で間違いってはいないのですが、猫にもある程度は食物繊維を摂らせる必要があるのです。

さもないと、便秘になったり、毛玉を上手く排出できなかったり・・・そうして腸内環境を悪化させてしまえば、免疫力も低下し様々な体調不良や病気の原因ともなりかねない。

それなら、「粗繊維」の割合が多い物を選べばいいの?

いえいえ、実はそれではいけないのです。

野菜だから、食物繊維だから、って何だって良いというわけではありません。

その種類(性質)によって、体内での働きや注意すべきことが大きく変わってくるのです。

そこで、今回は猫と食物繊維について、異なる性質を持つ2種類の食物繊維、成分表の「粗繊維」とは何なのか、猫にとって有用な食物繊維が含まれる食材などを書いてみたいと思います。

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猫は食物繊維を消化出来ない

便秘ではないと言っている体のぽっちゃり愛猫ミミ

猫は肉食動物ですので、肉類に含まれるタンパク質や脂質の消化には優れていますが、植物つまり食物繊維の消化は苦手です。

草食動物は消化する器官である腸内に植物を分解する微生物を多く有していて、それらが時間をかけて消化出来るように腸が長く出来ているのですが、肉食動物である猫の腸は短く、植物を消化しづらいというわけなのです。

では、野生の猫は食物繊維を摂取していなかったのかと言えば、そうではありません。

猫はネズミなど小動物を捕食していたのですが、その小動物が植物を食べて消化した食物繊維を、知ってかしらでかまとめて摂取していたと見られているのです。

なので、肉食動物であっても、猫は少なからず食物繊維という栄養素を得ていたことになります。

そうやって便通や毛玉の排出をしやすくしていたのですね。

ちなみに、猫草があるように、猫が草を食べる理由はハッキリとしてないようで諸説あるようですが、毛玉を吐き出しやすくする為ではないかというのが有力だそうです。

それも食物繊維を摂るという意味ではなく、草を食べることで胃を刺激してムカムカさせることで嘔吐へと繋げるって感じ・・・まぁハッキリとは解っていないのでなんとも言えませんが(苦笑)

食物繊維の種類

食物繊維より足がうめぇと言っている体で足を噛んでいる愛猫モコ

食物繊維には大きく分けて、下記の不溶性食物繊維と水溶性(可溶性)食物繊維の2種類があり、それぞれ性質が異なります。

不溶性食物繊維

主に穀類や野菜、豆類などに多く含まれる不溶性食物繊維。

かさ増しすることで大腸の蠕動運動を刺激し、消化器官の通過時間短縮、便通をスムーズにします。

また水に溶けず水分を吸収するので、うんちを硬くしたり、うんちの量(大きさ)を増大させたり、または添加物など有害物質を吸着させて体の外に排出、デトックス作用もあります。

なのですが、水に溶けずうんちが硬くなる不溶性食物繊維を摂り過ぎると、コロコロした硬いうんちが出る、つまり便秘になってしまう可能性があるので、食物繊維の消化が苦手な猫にとっては特に、与える量には注意が必要になります。

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水溶性(可溶性)食物繊維

主に海藻、野菜、芋類、果物などに多く含まれる水溶性(可溶性)食物繊維。

水分保持能力が高く、消化管内容物をドロドロと粘らせてゆっくりと移動させるので、ブドウ糖の吸収速度を抑え、食後の血糖値の急激な上昇を防ぎます。また、コレステロールなど有害物質を吸着して体外へと排出します。

さらに、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌にのみ栄養源となり発酵、分解する為、善玉菌が有利に傾き腸内環境が改善するという整腸効果も期待できます。

腸内環境が整えば、うんちの臭いも減り、正常な硬さになりますし、免疫力の向上にも繋がります。

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バランス良く含まれていることが大事

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維、どちらが良いというよりは、猫の状態によって変わってくる。

軟便ぎみの猫であれば不溶性繊維が多いほうが良いでしょうし、コロコロとした硬いうんちが出ている場合や、腸内環境を整えてあげようと思えば水溶性(可溶性)繊維の方が良い。

 
でも、個人的な意見にもなってしまうのですが、食物繊維の消化が苦手な猫ですので、不溶性繊維が多い(偏っている)フードというのはちょっと考えものです。

軟便だからといって硬いうんちにしたい!というのが、そもそもおかしいような気もするし。

確かにうんちが柔らかいと、猫トイレの掃除も大変ですし、長毛種であればおしりの毛についてしまったりもします。ですが、それって人間に都合が良いという話なだけでもあるんじゃないかな。

不溶性繊維を与えて下手にうんちを硬くしてしまえば、便秘はもちろんのこと、無理に気張るので肛門を傷つけてしまったりもしますし、そもそも世間一般的に言われているように猫は食物繊維を上手く消化できないので、消化不良を起こしてしまう可能性だってあるのです。

そういったことを考えると、水に溶けやすい水溶性(可溶性)食物繊維の方が猫向きな気がしないでもありません。

水溶性(可溶性)食物繊維には、腸内環境を整える効果も期待出来ますので、そうなれば消化吸収能力も向上し、うんちの調子も自然と善くなっていくはずですから。

 
ただ、逆に水溶性繊維が多いと下痢になってしまう可能性も否定できないので、あくまでも不溶性繊維に偏り過ぎていない方が良いということです。

月並みですがどちらの食物繊維もバランス良く含まれている物が一番良いということですね。

基本的に水溶性繊維が含まれているモノには不溶性繊維も含まれその割合も大きいので、結果的には水溶性繊維が多めに含まれている食材を選ぶのが一番良いのかもしれません。

食物繊維の種類を猫の性質、状態などから選ぶ必要があり、食物繊維が入っていれば何でも良いということではありませんので、キャットフードを選ぶ際などはしっかりと成分表(原材料)を確認するようにしましょう。

便秘ぎみだったり、毛球症ぎみだったりすれば尚のことです。

キャットフードの成分表記「粗繊維」とは

粗繊維が何なのか興味が無さそうに聞いている体の愛猫モコ

キャットフードの成分表を見て食物繊維の量を確認しようとすると、食物繊維量という項目は見当たらず「粗繊維」と書かれていることに気付かれるかと思います。

実はその粗繊維、繊維量には変わり有りませんが、不溶性繊維および水溶性繊維を含む食物繊維の総量を指し示しているわけではないのです。

粗繊維とは、食品を弱酸、そして弱アルカリと順番に煮沸したとき、壊れずに残っている成分を粗繊維といい、主に不溶性繊維となるセルロースとリグニンからなっていて、その精度もあまり高くない。

つまり粗繊維とは主に不溶性食物繊維の量(それも全てではない)ってことになるので、水溶性繊維を含む食物繊維の総量とはならないということなのです。

粗繊維量が多いからってこの数値だけで便秘な猫のためにキャットフードを選んでいると、逆に便秘を悪化させてしまう可能性があるということ。

便秘な猫にはもちろんのこと、栄養価もあまり無いので、むしろ粗繊維の数値が低い方が良いということになるのです。

ちなみに、キャットフードの粗繊維は、2~10%の割合で含まれていることが多いですね。

一般的なキャットフードには2~5%程度、毛玉ケアのサポートなどがされているキャットフードには6~10%程度といった割合になっていることが多いと思います。

どの割合を良しとするかは、便秘になりやすい猫、下痢をしやすい猫、毛玉の排出が上手く出来ない猫、それぞれ個体差があってなんとも言えませんので、愛猫に合ったものを探すしかありません。

結局のところ、成分表から食物繊維の総量(水溶性繊維の量)を知る術はありませんので、粗繊維は参考程度にして、含まれている原材料(食物繊維)にまでしっかりと目を向ける必要があるのだろうと考えます。

水溶性繊維・不溶性繊維が含まれる食材

野菜の話には興味のない体で寝ている愛猫モコ

原材料って言っても、どんな食材が不溶性繊維で水溶性繊維なのか分らない!

ってこともあるかと思います。

先ほども書きましたように基本的に食物繊維の摂れる食材には、不溶性繊維・水溶性繊維どちらもが含まれ不溶性繊維の割合が高めなので、水溶性繊維が多めに含まれている食材に目を向けるのが良いのかもしれません。

キャットフードによく配合されている食材の中から分類すると以下のようになります。

[水溶性(可溶性)繊維が多めに含まれている食材]

  • 野菜:にんじん、大根(根)、かぼちゃ、ごぼう、トマト etc…
  • 芋類:さつまいも、じゃがいもetc…
  • 海藻類:こんぶ、わかめ etc…
  • 果物:いちご りんごetc…
[不溶性繊維が多めに含まれている食材]

  • 穀物:トウモロコシ、ライ麦、小麦 etc…
  • 豆類:ひよこ豆、えんどう豆、大豆 etc…
  • その他:ビートパルプ

これら水溶性・不溶性の食材が、偏り無くバランス良く含まれているか、キャットフードの原材料を確認してみましょう。

なんですが、色々と調べてみても、水溶性と不溶性の振り分け方(割合)は同じ食材でもけっこうバラバラだったりします。部位や調理方法によっても変わってくるようで・・・なので参考程度にしていただければ(汗)

ビートパルプ?

キャットフードにはビートパルプが良く使われていますよね。

ビートパルプとはなんぞや?って話ですが、ビートパルプは甜菜(別名:砂糖大根)から砂糖を絞り取った後に出来る残りカスで、家畜飼料の繊維源として用いられている物。

また、砂糖の取り出す時に薬品(硫酸系)を使う場合(薬品を使わない方法もある)もあり、その薬品がカスにも含まれているといった話も囁かれています。

流石にキャットフードに配合されている物はそんなこと無いと信じたいですけどもね(汗)

確かにビートパルプには可溶性、水溶性どちらもの食物繊維も含まれています。

でも、どちらかと言えばうんちを硬くする作用の方が大きく、人間にとっては有り難いのかもしれませんが、猫にとっては量が多いと便秘(または下痢)の原因となってしまいます。

中には穀物同様に、かさ増しとして使用されているものもありますので、あまりおすすめできません。これは猫が消化しづらい穀物も然りです。

猫と食物繊維について、考察とまとめ

飼い主にお腹を触られ、便秘じゃないと言っている体の愛猫ミミ

肉食動物である猫にとっても食物繊維は適量ながら必要とされるもの。

食物繊維には、猫の便秘の解消、毛玉ケアに効果が得られるだけではなく、腸内環境を整えたり有害な物を排出(デトックス)するという役割もあります。

最近流行のグレインフリーなどであれば、穀物から食物繊維を得ることが出来ませんので、食物繊維の含まれる食材がしっかりと含まれているかの確認も必要です。

また、食物繊維が入っていれば何でも良いというわけではなく、猫の体質や状態に合った食物繊維を選ばなければなりません。

バランス良く不溶性繊維と水溶性繊維の食材が含まれているキャットフードを選んであげてください。

それが難しいようだったり(実際難しい・・・)、なかなか便秘や下痢に効果が現われないといった場合には、猫が消化を苦手とする食物繊維や穀物(炭水化物)の消化をサポートする酵素が含まれるサプリメントなどを使って、補ってあげるのも良いかと思いますよ。

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この記事を書いた人
レウ

35年間猫と暮らし、今現在2匹の猫と暮らす猫バカ。地図会社、印刷会社、システム会社を経て、物作りの楽しさを知りブログを書き始める。猫を長生きさせることを目標とし猫ブログを立ち上げ、愛猫たちの出来事、猫に関する役立つ情報など、経験した事も交えながら、飼い主目線で記事を書いてます。猫以外では映画やゲームが好きなインドア派。

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