こんにちは!レウです。
猫の誤飲・誤食とは、食べられない物を呑み込んでしまったり、食べてはいけない危険な物を食べてしまったりと、猫が異物を呑み込んでしまうという事故を指します。
うちの愛猫モコは紐で遊ぶのが大好き。
他のどんな猫のおもちゃよりも紐、特にゴムの紐が好きなようです。
そんな紐で遊んであげていると、口の中に入れてしまうことことも多々あります。
一緒に遊んでいる時は紐の端っこをこちらが握っているので、呑み込みそうになったら阻止することも出来ます。
ですが、先日ちょっとした油断をしてしまいました。
女性の髪の毛を束ねるゴム紐を、モコが大層お気に召したようで、一人で遊んでいたのですが、僕も近くにいるから大丈夫かとそのまま遊ばせてしまったのです。
その後そろそろゴム紐を隠そうかと思ったら、どこにも見当たらない・・・たた棚の下とかに入り込んで見つからないだけなのか、もしかして呑み込んだしまったのか・・・。
その判断も出来ないし、ちょっと様子を見ていたところ、翌朝に猫トイレを掃除していたら、ゴム紐がうんちに紛れて出て来ていました。
やっぱり誤飲してしまっていたのか・・・orz
紐系の物を誤飲した場合には、腸に引っかかり引っ張ってしまったり破裂させたりすることがあると、以前に獣医さんに教えて貰っていたので・・・。
良かったよ何事もなく無事に排泄されて・・・。
とまぁ冒頭からダラダラと体験談を書いてしまいましたが、これは運が良かった場合です。
猫の誤飲・誤食は、呑み込んでしまった物にも寄りますが、最悪の場合は死に至るとても危険な事故であり、猫にはけっこう多い(猫を飼う方が増えて来たが為に増えて来た)事故とされています。
そこで、今回は猫の誤飲・誤食について、症状や応急処置と対処する時にやってはいけない事、誤飲を防ぐ方法などを書いてみたいと思います。
誤飲・誤食時の猫の症状
誤飲や誤食した時の主な症状としては、以下のようなものになります。
- ぐったりしていて元気がない
- 食欲不振
- 何も食べていないのに口をパクパクさせる
- 吐き出そうとするが吐けない
- 嘔吐を繰り返す
- 苦しそうに呼吸している
- チアノーゼ(酸素欠乏で皮膚や粘膜が紫になる)
猫は基本的に噛まずに丸呑みしてしまう生き物ですので、喉や食道をすんなり通り抜けられるような異物の場合、呑み込んだ直後に何かの症状を起こすことは、ほとんどありません。
なので、誤飲・誤食しても元気だし異常がないってことで、ほとんどの飼い主さんが、様子を見る方向となってしまうのではないでしょうか?
冒頭で書いた通り、うちのモコの場合がそれ。
まぁ呑み込んだかどうかが判断出来なかったのもありますが、実は様子を見るというのはあまりよくありません。
明らかに食べてはいけない物を誤飲・誤食してしまったと判断した場合には、呑み込んでしまった異物にも寄りますが、早急に処置を施してあげなくてはならないのです。
猫が口にした物は「喉」→「食道」→「胃」→「小腸」→「大腸」→「肛門」といった順番に流れていきます。
一番危険なのは、喉に異物が詰まってしまい呼吸困難を起こす場合と、腸にまで到達してしまい腸閉塞となってしまう場合で、どちらも猫の命に危険が及んでしまいます。
排泄物と一緒に出てくる
誤飲誤食して、数時間のうちに嘔吐して猫自身が異物を吐き出したり、または、1日以上経過した後にうんちと一緒に異物が出てくる場合がります。
これはモコの時と同様に、ラッキーな場合だと言えますね。
ただし、どれぐらいの大きさの物なら誤飲・誤食しても大丈夫なのかっていう判断は非常に難しいようです。
呑み込んでしまった物がどういった物かにもよるでしょうし、例え小さな物だとしても、危険を伴う場合があり、ご自身で判断するのは危険です。
猫が食べてはいけないような物を食べてしまい、自身で判断しかねる場合には、電話でも良いので獣医師さん指示を仰いで下さい。
また、様子を見た場合でも、猫が異物を吐き出さなかったり、うんちと一緒に出ていない場合には、ちゃんと獣医さんに相談するようにしましょう。
喉や口の中に刺さる
硬く尖った魚や鳥の骨、針、つまようじ、などといった物を誤飲してしまった場合には、喉に刺さってしまう場合があります。
その場合、猫は苦しそうに口を開けたままハァハァと息をしていたり、食べ物を食べても水を飲んでも繰り返し嘔吐するというような症状になります。
また、猫が口の中に傷を負ってしまうことで、炎症を起こし口内炎になってしまう場合も。
誤飲・誤食した鋭利な物で口の中を傷つけてしまう他にも、電気器具のコードで感電したり、洗剤など刺激の強いものを口にすることでも口内炎に発展する可能性があります。
猫の口内炎は人のそれとは違い、口の中が広範囲に渡り赤く腫れてかなりの痛みを伴い、食欲不振などを起こしてしまいます。自然治癒しづらく気付いてあげられにくい病気でもありますので注意が必要です。
呼吸困難
これはとても危険な状態となります。
喉に大きな異物が詰まってしまうと、気道が圧迫されて呼吸がしづらい、または息が出来ない状態になってしまう。
何も食べていないのに口をパクパクさせていたり、吐こうとしても吐き出せない、苦しそうに呼吸している、酸欠状態のチアノーゼを起こすといった症状が見られます。
呼吸困難となった場合は、当然のことながら一刻を争う状況ともなりますので、様子を見るとか言ってられません。
特にチアノーゼ、意識がない、痙攣しているなど、猫が深刻な状態となっているのであれば、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。
先に病院に電話をかけて猫の状態などを知らせておくことで、診察順を優先してもらえると思いますので、移動しながらでも病院に連絡を入れておきましょう。
腸閉塞
誤飲したのに様子を見てしまったが故に危険となってくるのは、呑み込んだ異物が腸にまで到達してしまう場合。
その場合、食欲不振、激しい嘔吐、腹痛により猫がぐったりするといった症状が見られます。
腸にまで異物が到着し、そこで詰まってしまうと腸閉塞を起し、組織が死んでしまう壊死などを起こしてしまう可能性があります。
また、モコの件でも書きましたが、紐状の物である場合には、腸管に絡まって引っ張ったり弛ませたりして破裂させてしまう場合も。
呑み込んだ物が腸に辿り着くまでには、早くて3~4時間(2時間ぐらいは胃にとどまっている)とされていますので、猫が誤飲したと気付いたのであれば、その時点で病院へ連れて行きましょう。
まだ異物が胃に留まっている状態なら、内視鏡などで異物を取り出せる可能性がありますが、腸にまで達してしまうと開腹手術、腸の切除といった大掛かりな手術になってしまいます。
中毒症状
猫が口にしそうな物で中毒症状を引き起こす物は多いのですが、ここでは代表的な物を並べてみます。
猫にとっては一口でさえ危険な物もありますので、誤飲・誤食してしまわないよう注意が必要です。
- ネギ科の植物:ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど
- カフェイン:コーヒー、チョコレート、カカオなど
- ナッツ類:マカダミアナッツ、アーモンド、クルミ、ピーナッツ
- アルコール:酒類、生パンなど
- ニコチン:タバコ
- 人間用の薬:風邪薬、正露丸など
- 洗剤:洗濯洗剤など
- 植物:ユリ科を筆頭に約700種類以上
ネギは有名ですね。猫に与えてはいけない物代表みたいな存在です。煮ても焼いても出汁でさえもダメで、貧血や血尿の原因となります。
カフェインについては、嘔吐、下痢、不整脈、痙攣、心不全といった症状。猫が口にしやすそうなのはチョコ、猫の手が届かないところに保管し、食べかすを床に落としたままにしないように注意しましょう。
ナッツ類は、特にマカダミアナッツが危険です。猫が口にして12時間以内に症状が現われ、処置が遅れると死に至る可能性もあります。マカダミアナッツチョコレートなんか最悪ですね(苦笑)
アルコールは、急性アルコール中毒に似たよう症状を起こし、子猫に至っては一滴でも危険。何も知らない人がアルコールをふざけて猫に与えてしまったりすることもあるかと思いますので注意しましょう。
ニコチンはまぁタバコですね。症状としては、涎、興奮、震え、下痢、嘔吐、意識混濁、最悪は死亡することも。厄介なことに猫はタバコでマタタビ効果を得る場合もあり好む場合も・・・タバコを猫が転がして遊んでしまわないように、灰皿の位置も含めてしっかりと管理するようにしましょう。
人間用の薬・・・というか、お菓子も含めて人間用に加工された食べ物、サプリなんかも猫に与えてはいけません。
洗剤は、下痢や嘔吐といった症状になります。洗濯機のところで床にこぼしてしまったり、風呂場に残っていた洗剤など、猫が歩いて手足についた洗剤を舐めてしまうパターンが多いようです。
植物に関しては、全ての部分に毒性があり猫にとって大変危険なユリ科の植物を筆頭に、観葉植物、多肉植物等々、有毒な植物は700種類以上にも及ぶそうです。猫は植物はかじってしまうことがよくありますので注意が必要です。
その他、猫が食べると危険な食べ物はこちら↓
嘔吐や下痢についてはこちら↓
猫の誤飲・誤食に気付いた時の応急処置とタブー
猫が誤飲や誤食をしてしまった場合、猫の症状によってはかなり慌ててしまうかと思いますが、まずは落ち着つくことが大事です。
自身でやれることはもの凄く限られていますし、やってはいけないタブーの方が多いですので、冷静に判断しましょう。
そして、病院へ連れて行くのが、最優先であることに変わりもありません。
応急処置
応急処置が必要となるのは、緊急性のあるもの、上記の症状で言えば、呼吸困難に陥っているような場合ですね。
そういった場合には、猫を抱きかかえて逆さまにし背中を軽く叩いてやる、もしくは左右や上下に揺らして、喉に詰まった物を吐き出させます。
または、猫の口を開き、舌を引っ張って、喉に詰まった異物を取り除きます。ただ、こちらの方法は、素人では難しい場合もありますし、噛まれてしまう危険もありますので、無理にはやらない方が無難。
どちらも複数人いるのであれば協力して行なう方が良いでしょう。
やれるのはこれだけだと思ってください。
それでも異物が取り出せない時は、速やかに病院に連れて行きましょう。
緊急事態でもありますので、先に病院の方へ連絡を入れておくことをおすすめします。そうすれば獣医さんからの指示も仰げますし、優先的に診て貰うことが出来ると思います。
タブー
猫の誤飲・誤食時に、自身の判断でやってはいけないことです。
可能な応急処置よりもこちらの方が多いので、迷ったら病院へ連れて行くことを優先してください。
まず、猫に嘔吐を促す為、水や食塩水を飲ませるという方法を聞いたことがあるかと思いますが、食塩の量を間違えたり、上手く吐き出せなかったりした時、逆に中毒症状を起こす場合がありますのでやってはいけません。
牛乳を飲ませて下痢を誘発させるというのも同様です。
また、紐状の物を呑み込んでいる場合、猫の口からその紐が出ていたり、喉に詰まっているのが見えたすることもあるかと思いますが、無理に引っ張るのは絶対に御法度。
尖った物を呑み込んでしまっている場合も同様、無理に取り出したり吐き出させたりするのは、猫を傷つける恐れがあるので大変危険です。
意識不明または混濁、痙攣を起こしているような時も、無理に吐き出させると、喉に詰まらせて窒息させてしまう場合があります。
人間の酔っ払った人が自分の吐いた物で窒息死したりする事故と同じです。
これらの場合は、自身の判断で処置を行なわず、急いで病院へ連れて行くようにしましょう。
猫の誤飲・誤食の治療とは?
誤飲した可能性が疑われる時は、触診、またはレントゲン、超音波などで画像診断が行なわれ、吐かせて取り出せる物であれば嘔吐を促す催吐処置を行ないます。
吐き出させることが出来ない異物の場合には、バリウムにて造影検査を行って、異物の通過状況を確認、異物が食道から胃までの間で留まってくれている場合、その異物の形状や大きさにもよりますが、内視鏡による異物の排除を行います。
内視鏡では取り出せない異物だったり、腸まで達してしまっている場合には、開腹手術を行なうこととなってしまいます。
また、中毒症状を起こしている場合は、内科療法が主となることが多く、原因を特定し、催吐処置または活性炭の投与、胃洗浄などにより中毒物質を取り除きます。
それと同時に、嘔吐や下痢など消化器官症状や、痙攣など神経症状、それぞれの症状に応じた対処療法が行なわれます。
お分かりのように、猫が異物を誤飲・誤食してしまった際、時間が経てば経つほど危険度が増しますし、異物が腸にまで達してしまうと治療も大掛かりになってしまいますので、誤飲・誤食に気が付けたのなら、早急に病院へ連れて行くことが望ましいのです。
猫が誤って口に入れがちな物
猫が誤飲・誤食しそうなもの・・・といっても、猫は様々な物を口にいれてみたりするし、大きさによってはうっかり呑み込んでしまうものもあり、細かく書こうと思えばほぼ無限のように出て来ます。
猫の口に入りそうなサイズのものは、全て誤飲・誤食する可能性があると考えて下さい。
そして、猫の口の大きさを侮らないように・・・極端な話、猫があくびした時を想像してみれば、だいたいの予想はつくかと(汗)
- ボタン電池
- 糸、ゴム紐、リボン、コードなど紐状のもの
- 針
- 買い物袋などビニール系
- ピアス、指輪などアクセサリー類
- 魚や鳥の骨
- 串、ようじ、綿棒など棒状のもの
- 猫用のおもちゃ
- 噛みちぎれる布系のもの
- ティッシュ
- アルミホイル
- スポンジ
- 首輪の鈴
- お菓子や人間用の食べ物(食べカス)
- タバコ
- 植物
最も注意すべきなのは、先ほどから書いていますように、紐状の物や尖った鋭利な物となりますが、喉に詰まったりすることを考えれば、少し大きめの物も危険。
衣類や買い物袋といった少し大きな物でも、噛みちぎったり、丸まっていれば、猫は口の中にいれてしまうので注意が必要です。
結局のところ、猫が興味を示したり、遊んでしまうような物は全て危険、特に最も好奇心が旺盛である時期、子猫は要注意です。
猫は気に入った物を、口に咥えて歩き回ることもありますし、噛みちぎろうとしたり、自分好みの匂いがついていれば舐めます。そんな時にうっかり誤飲してしまうことがある。
また、お菓子の食べカスやタバコなど人間の不注意によって、猫にとっては危険となる物を誤飲・誤食してしまうこともあります。
あと、まだ匂いを嗅いでいる段階であれば問題ないですが、猫が何かを口にしている時に声を荒げて制止しようとすると、猫は驚いて一気に呑み込んでしまう場合もあるので、猫のおもちゃなどで興味を違う方向へ逸らすようにしましょう。
猫の誤飲・誤食を防ぐには?
誤飲・誤食を予防するような方法、猫が興味を示す物を口にしないようにする方法はありません。
その原因となる物を取り除くしか方法はないので、日頃から部屋の掃除や整理整頓をしっかりと行なって、猫が口にしそうな物、猫が口にしてはいけない物はしっかりと管理出来るようにしておきましょう。
- 猫が遊んだ後、口に入れちゃいそうな物はその都度、猫の手が届かない所へ片付ける。
- 猫が紐や小さな物などで遊んでいる時は出来るだけその様子を見ていてあげる。
- 洗濯機まわりなどに洗剤がこぼれ落ちていないかの確認。
- キッチンまわりや、人間が何かを食べた後に、食材や食べカスが落ちていないかの確認。
- 人間が口にする物は猫には与えない。
- タバコを吸う人は灰皿の位置などにも注意する。
こういった事を習慣化することで、猫の誤飲・誤食はかなりの確率で防ぐことが可能となります。
また、家を空ける時、猫に留守番をお願いする時なんかは、もし誤飲・誤食したとしても助けてあげることが出来ない状況となりますので、特に注意が必要ですよ。
猫の誤飲・誤食について、考察とまとめ
今回は猫の誤飲や誤食に関して書いてみました。
猫が誤飲してしまっても、異物が喉を通ってしまえば、猫は普段通り元気だったり食欲があったりもします。
何事も無く嘔吐やうんちと一緒に排泄されれば良いのですが、時間が経ち腸まで到達、そこで悪さをされると大変な事態となってしまいますし、中毒症状が起こる場合は短時間の場合もあればしばらく経ってからという場合も。
なので、誤飲してしまった愛猫が元気だからといって油断してはいけません。
自身ではなかなか判断出来ないと思いますので、病院に連れて行くか、電話して獣医さんに相談してみた方が良いです。
猫が誤飲してしまうそのほとんどが、人間が普段使ったり食べたりするような物が原因だったり、その管理不足だったりします。
日頃から猫が口にしてしまいそうな物は、ちゃんと片付けておく習慣をつけましょう。
うっかりしてしまうことや、油断してしまうことはありますし、猫はこちらの想像をはるかに凌ぐ行動にも出ちゃうので、なかなか完璧に管理するといっても難しいとは思います。
ですが、こまめに掃除して、その都度片付けていれば、猫が誤飲や誤食してしまう可能性は最小限にとどめることが出来ますので。
あと、愛猫のことを理解することも大事。
というか、一緒に生活していれば、愛猫がどういうことをしそうなのか想像するのも容易になって来ますよね。
そうなれば、愛猫の予期せぬまさかの行動にも、ある程度こちらが先読みして対処することが出来るようになりますので、誤飲や誤食の危険をさらに削減させることが可能になりますよきっと。
また、この記事を覗いてくださった方の中には、猫が誤飲してしまって、「どうしよ~どうしよ~」って気持ちで来られた方もいるかもしれませんね。
そういった状況であるのなら、とにかく落ち着いて的確に行動することが大事です。
応急処置が必要であれば試してみて、ダメならすぐに病院へ連れて行くようにしてください。
様子を見ても良い場合もありますが、先ほども書きましたが、自身で判断するにはあまりに危険。
愛猫が誤飲したと分っているのであれば、様子を見るのではなくすぐに病院へ連れて行ってあげることが一番の方法となります。
どうしても病院へ連れて行けない事情があるのであれば、動物病院へ電話して獣医さんの指示を仰ぐようにしてくださいね。
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