【猫の人獣共通感染症】猫から人にうつる病気、風邪や猫風邪はうつる?

飼い主と愛猫モコ

こんにちは!レウです。

猫の病気は色々とありますが、猫から人間へとうつって(感染して)しまう病気があることをご存知でしょうか?

人と猫(その他の動物)が双方に感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)というヤツです。

人獣共通感染症が原因で死亡された方が出てしまったとかって、ニュースなどでもやっていたりするのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

 
そういったニュースを見掛けると、猫が風評被害を受けてしまうのではないかと、猫好きとしては逆に猫のことが心配になってしまいますが・・・。

 
ですが、実際にある話なので、過剰に気にすることはないと思いますが、万が一に備えて人獣共通感染症の感染ルートなどを知っておくと良いかと思います。

そして出来る限りの予防対策はとるようにしましょう

特に小さいお子さんや妊婦さんと一緒に暮らす場合には注意が必要になりますので。

この記事では、猫から人にうつる病気、人獣共通感染症の3つ感染ルートとそれぞれの病気、また予防方法について書いてみたいと思います。

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人獣共通感染症(ズーノーシス)とは?

飼い主の手を噛む愛猫モコ

人獣共通感染症とは、人とそれ以外の脊椎動物の両方に感染または寄生する病原体により、人へ感染してしまう病気(感染症)のことを指します。

同義語として、「人畜共通感染症」や「ズーノーシス」といった名称で呼ばれることもあるようです。

人獣共通感染症には、人も猫も、どちらもが発症する(症状が出る)ものもあれば、片方だけが発症するものも。

つまり、猫には何の異常も見当たらなくても、猫が持つ何らかの菌から人が病気になってしまうことだってあるんです。

 
野良猫など外猫の方が危険は大きいものの、完全に室内で飼っていたとしても、猫が持つ常駐菌によって人にうつってしまう病気もあるので、安心はできません。

また、ワクチン接種している猫でも、今のところワクチンでは人獣共通感染症を防いではくれませんので、予防とはなりません。

人から猫にうつる病気は?

猫にとっては無症状の病気が多い。

人間の方がはるかに衛生的な生活をしている。

ウイルスは種を越えて感染することがほとんどない。

そういった点から、人から猫にうつる病気に関しては、あまり問題視されていないのが現状です。

ただ、皮膚糸状菌症のように人間の水虫から猫に感染する可能性もあると言われていたり、または、確率はかなり低いのですが突然変異などもありますので、全く無いとは言いきれません。

自分自身(人間ね)が人獣共通感染症にかかった時には、なるべく猫に近づかないようにしてあげた方が無難ですね。

人の風邪は猫に、または猫風邪は人にうつる?

身近でうつる病気と言えば“風邪(風邪症候群)”がありますね。

自分が風邪を引いた時とか、猫にうつってしまうんではないかと心配になっちゃちます(汗)

また、猫には猫風邪(ヘルペスウイルス・カリシウイルス・クラミジア・マイコプラズマ)があります。

猫がくしゃみや鼻水を垂らしていたら、こちらもまた人にうつってしまうのではないかと、小さなお子様がるご家庭なんかは特に心配になっちゃいますよね。

ですが、人の風邪の原因となるウイルスと、猫の風邪の原因となるウイルスの種類が異なっている為、人の風邪は人へのみ、猫の風邪(猫風邪)は猫へのみ感染します。

風邪または猫風邪が、人から猫にうつることは無いですし、猫から人へうつることもありません。

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猫から人への感染ルートは3つ

掃除機に警戒する愛猫モコ

猫から人にうつる病気には、口や爪・皮膚・排泄物(糞尿、嘔吐物)といった主に3つの感染ルートが存在します。

どういった病気があるのか、その予防はどうすれば良いのか、それぞれのルートを一つずつ見ていきましょう。

猫の口や爪からの感染

人間もそうですが、猫の口や爪には雑菌が多く存在し、とくに病気にかかっていない猫であっっても常駐菌として存在しているのです。

猫と遊んでいれば、噛まれたり引っ掻かれることは日常茶飯事ですよね。

僕もこれまで数多くの傷を猫たちに作っていただきましたwww

ですが、そういった猫との普段のコミュニケーションからも、病気に感染してしまうことがあるのです。

もちろん野良猫でなくても、完全室内猫であってもです。

猫の口や爪から人にうつる主な病気

病名猫の症状感染ルート人に現われる症状
猫ひっかき病咬傷・掻傷高熱、痛み、倦怠感、リンパ節の腫れ
パスツレラ症咬傷、掻傷発熱、傷口の腫れ、激しい痛み
狂犬病咬傷、粘膜部を舐められる発熱、痛み、不安感、興奮性、精神錯乱、全身麻痺
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症咬傷、掻傷、粘膜部を舐められる腹痛、吐き気、発熱、敗血症、脳髄炎、意識混濁
コリネバクテリウム・ウルセランス症野良猫のくしゃみを浴びる発熱、喉の痛み、鼻水、咳、くしゃみ
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)マダニに咬まれて感染した動物の体液発熱、嘔吐、下痢、倦怠感、リンパ節誇張、出血

猫の狂犬病は、段階的に性格の変化や異常な行動が猫に見られるようになります。

鬱のように暗い場所に引っ込んで隠れる、落ち着きがなくなる、攻撃的になる、破壊行動を行う、筋肉の痙攣、飲食困難、全身麻痺などといった症状が猫に現われます。

コリネバクテリウム・ウルセランス症に感染した猫は、くしゃみ、鼻水、目やに、皮膚の化膿などといった症状が現われます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、これまでマダニから人への感染だったのが、マダニから猫へうつり猫から人へと感染した例が出て来たことで注目を浴びました。

まだ症例数は少ないのですが、猫に発熱、衰弱、白血球と血小板の減少などが見られる可能性があるとのこと。

コリネバクテリウム・ウルセランス症と重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、人にうつってしまった場合の死亡例も報告されていますので要注意

その他、猫ひっかき病、パスツレラ症、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症に関しては、猫は多くの場合まったくの無症状なので、知らぬ間に人にうつってしまう可能性もあり、日頃から注意が必要となります。

猫の口や爪からの感染ルート予防方法

猫の爪や口には、常に存在する常駐菌によって感染するケースのものもあります。

それは、猫が外に出ようが出まいが、汚れていようがいまいが、何かの病気に感染していようがいまいが、関係ありません。

また、猫には発症しないものがあるので、判断もしづらい。

ですので、猫の爪や口の中には、雑菌が多いと考えて、常に対処する必要があります。

 
猫に引っ掻かれたり噛まれたりして傷が出来たら、この程度なら大丈夫だとたかをくくらずに、必ず水で洗い流したり、ひどい傷の場合にはちゃんと消毒することが大切となります。

傷が深くなってしまわないように、爪切りを定期的に行うようにすると良いですね。あばれるくんだと爪切りは大変ですけども(汗)

 
また、ちゅー(キス)するのもなるべく控えた方が良いです。

男の僕が言うとちょっと気持ち悪いかもですが・・・僕はいつも口の匂いを嗅がせたり、マズルあたりに軽く「ちゅっ」とするにとどめています(苦笑)

あまりムツゴロウさんを見習ってはいけません。あの人は仙人なのですww

くしゃみを浴びた時も良くないので、念のため顔や目を洗ったりうがいをしておいた方が良いでしょう。

 
人間用と猫の食器は別々にする。

ちょっとおやつをあげる時とか、人が普段使っているものを使いがちですが、完全に分離した方が良いと思います。

もしも、人間用のものを猫に使ってしまった場合には、しっかり洗剤で洗いましょう。漂白剤などにつけ置きすると尚良しですね。

猫の皮膚からの感染

猫の皮膚からの感染の場合は、猫に何らかの異常が見られる場合がほとんどです。

飼い主も異常に気付きやすいので、その時点で病院に連れて行けば、人への感染の有無もちゃんと説明してくれると思います。

猫の皮膚から人にうつる主な病気

病名猫の症状感染ルート人に現われる症状
皮膚糸状菌症感染猫と接触皮膚の薄いところが赤くただれる、脱毛
かいせん症感染猫との接触、感染猫が使った物への接触発疹

皮膚糸状菌症の場合、痒みは無いものの、猫の皮膚には円形の脱毛が起こりその周囲にフケやかさぶたが出来ます。

また分厚いかさぶたに湿疹のような赤いブツブツが出来ることも。

かいせん(疥癬)症は、発疹やフケやかさぶたなどといった症状で、凄まじい痒みによって患部を掻きむしったり、噛んだりして、出血するといった症状を猫は見せます。

猫の皮膚からの感染ルート予防方法

先ほども書きましたように、

猫の皮膚から人にうつるような病気は、猫に異常が起こっている状態となりますので、見た目に分かりやすく、おそらく病院などへ連れて行くと思いますし、そこでちゃんと対処方法を教えて貰えます。

念の為に書くとすれば、皮膚に疾患のある猫に対しては、猫と接触、または猫の使った物に触れた場合、ちゃんと手を洗う

 
部屋の掃除をこまめに行う。

猫の抜け毛などから真菌が繁殖したり、どのご家庭にもノミやダニ、それらの卵がカーペットなどには存在しているもの。

そういったところから感染してしまう可能性もあるので、もちろん完璧にとはいきませんが、こまめに掃除をして出来るだけ発生を防ぎましょう。

 
また、なるべく感染猫に近づかないようにする室内飼いであれば別の部屋に隔離する。

ちなみに他の猫にも感染してしまう場合がありますので、多頭飼いであれば他の猫も近づけさせないようにしましょう。

うちの愛猫ミミも皮膚糸状菌症を患っていた時は、ちょっと可哀想でしたが一つの部屋に隔離して、モコと接触しないようにさせていました。

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猫の糞や尿、嘔吐物からの感染

この猫の排泄物から人にうつる病気の数が、調べてみると最も多かったので注意が必要ですね。

猫の尿や糞から人にうつる主な病気

病名猫の症状感染ルート人に現われる症状
トキソプラズマ症発熱、倦怠感、リンパ節の腫れ、視力障害、※多くの場合は無症状だが妊婦(胎児)への影響がある
回虫症発熱、倦怠感、食欲不振、ぶどう膜炎、視力低下、飛蚊症、てんかん様発作
エキノコックス症黄疸、腹水、皮膚、咳、血痰、胸痛
瓜実条虫症糞・ノミ幼児の場合に下痢、腹痛
サルモネラ症保菌猫・糞急性胃腸炎、※子供は重傷化しやすい
カンピロバクター症保菌猫・糞下痢、腹痛、発熱、悪心、頭痛、悪寒、倦怠感
クリプトスポリジウム症発熱、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐
Q熱糞・尿高熱、頭痛、悪寒、肺炎、肝炎
エルシニア症発熱、嘔吐、腹痛、下痢、腸炎、咽頭痛

猫の尿や糞から人にうつる人獣共通感染症の多くが、基本的に健康な(免疫力が正常に働いている)成猫が感染したとしても無症状であることが多いようです。

ただ、トキソプラズマ症、回虫症、サルモネラ症、カンピロバクター症、クリプトスポリジウム症といった感染症は、子猫であったり免疫力が低下している猫の場合には症状が現われることがあり、その多くが共通して下痢や嘔吐といった症状が猫に現われます。

エキノコックス症、瓜実条虫症、Q熱、エルシニア症に関しては、猫はほぼ無症状とのこと。

しかしながら、この項目にあるエキノコックス症、狂犬病、Q熱は、人に対して「危険性が高い」共通感染症とされています。

ゆえに、猫の様子、見た目で判断することが出来ない場合が多いので、猫から人にうつる人獣共通感染症という観点では、常日頃から衛生面で注意する必要があります。

猫の尿や糞からの感染ルート予防方法

猫トイレや嘔吐物の掃除をした後は、必ず洗剤で手を洗うようにしてください。

間違ってもそのままの手で食品、食器などを扱わないように。

まぁ、ご自身がトレイした後と同じですね。

猫砂などを吸ってしまった感がある場合には、口をゆすいだり、うがいを心がけましょう。

猫はトイレの後などにお尻を舐めたりしますので、こちらも猫とちゅー(キス)するのは控えた方が良いですね。

また、妊婦さんがトキソプラズマに感染してしまうと、お腹の胎児にまで影響が及び、流産、死産、胎児の脳や眼に障害が生じてしまう可能性が出て来てしまいます。

妊娠中の方は、なるべく猫と過剰な触れ合いは控え、トイレ掃除など猫のお世話は他の人にお願いしてやってもらうようにしましょう。

野良猫との接触には注意

外に憧れを抱く体で外を眺める愛猫モコ

猫を飼っている人であれば基本中の基本とも言えることですが、それでもやはり猫が好きなだけについつい接触してしまう場合もあるでしょう。

僕も人のことは言えないですハイ。

ですが、野良猫(外猫)の方が室内飼いの猫よりも、病気を持っている可能性が確実に高いです。

接触する際には、必ず人獣感染症のことは頭に入れておくようにしてください。

接触した場合には、必ず洗剤での手洗いを行いましょう。

引っ掻かれたり噛まれて傷を負ったなら消毒、傷が酷い場合には病院で診て貰うように。

野良猫や捨て猫を保護する場合にも注意が必要。

人獣共通感染症でなくても何かしらの病気を持っている場合がありますので、必ずはじめに動物病院で検査してもらってください。

また、飼っている猫を外に出掛けさせているという場合も、人獣共通感染症も含め様々な病気へのリスクがあることは、心にとめておいてくださいね。

なるべくなら猫を飼う場合には、室内飼いを徹底した方が良いと思います。

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猫の人獣共通感染症(ズーノーシス)について、考察とまとめ

飼い主の想いとは裏腹に自由きままな愛猫たち

猫から人にうつってしまう病気について調べてみました。

完全室内飼いでも、ワクチンしていても、予防にはならない人獣共通感染症。

ですが、そんなに難しく考える必要はありません。

猫を恐れるなんてもってのほか。

 

猫でも犬でも人間よりは不衛生だったりするので、口や爪には必ず菌が存在していると思えばいいだけのことです。

そしたら自然と手洗いしたり、噛まれたり引っ掻かれたりしたら水で洗うでしょうし、ちゅー(キス)は控えようって思いますからね。

また、感染症は免疫力の低下が原因となって発病または感染しやすくもなりますので、飼い主さんも猫も健康状態には気をつけて、免疫力を維持するように心がけましょう。

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ただ、妊婦さん(胎児)に大きな影響を及ぼす人獣共通感染症(トキソプラズマ症)もありますので、妊婦さんの場合には猫との過剰な接触を避けると共に、猫のお世話も他の方が行うようにするようにしましょう。

また、小さなお子さんがいる場合にも、手を洗ったりするのをサボりがちなので、しっかりと教えてあげてくださいね。

 
ちなみに、僕は子供の頃から長年猫と一緒に暮らしていますが、一度も猫からうつるような病気に感染したことはありません。

噛まれたり、引っ掻かれたり、散々やられていますが、ここで書いた予防方法なんかは、自然とやっていましたしね。

 
人獣共通感染症は、ちょっとしたことで予防が出来ます。

野良猫(または外を出歩く猫)には少々注意が必要ですが、室内飼いであれば猫を過剰に怖がる必要はありません。

ほんの少しだけ衛生面に注意して、愛猫との生活を楽しんでくださいね。

猫の人獣共通感染症について参考にさせていただいたサイト様の記事や資料

猫の保険・病気・怪我
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この記事を書いた人
レウ

35年間猫と暮らし、今現在2匹の猫と暮らす猫バカ。地図会社、印刷会社、システム会社を経て、物作りの楽しさを知りブログを書き始める。猫を長生きさせることを目標とし猫ブログを立ち上げ、愛猫たちの出来事、猫に関する役立つ情報など、経験した事も交えながら、飼い主目線で記事を書いてます。猫以外では映画やゲームが好きなインドア派。

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