【猫の腎臓病】腎不全ステージ2の初期症状で治療すれば余命は伸びる!

自分の腎臓が大丈夫なのか不安に思う体の愛猫モコ

こんにちは!レウです。

うちの猫も高齢期にさしかかり、少しずつ腎臓病(腎不全)への不安がよぎるようになって来ました。

癌とともに、猫の掛りやすい病気、猫の死因ともに必ず上位に名を連ねる猫の腎臓病。

猫を飼っている人なら、気にしない人はいないのではないかと思う病気ですね。

一度、慢性腎不全になってしまうと完治しない病気・・・

それでも検診や初期症状などで気付いてあげて、早期に発見すれば病気の進行を遅らせることは出来ます。

逆に病気が進行して、ほとんど腎機能が残っていないと、治療方法が限られてしまい、どうすることも出来なくなってしまう。

うちの歴代猫たちは、これまでに悪性腫瘍である癌で2匹、今回記事にする腎不全でも1匹を亡くしています・・・。

猫にとって、腎臓が衰えてくるある一定の年齢になると、避けては通れない病気でもあり、それが猫の寿命とも言われていますが・・・。

今回はそんな猫の腎臓病について、急性腎不全と慢性腎不全、その原因や症状(サイン)、はたして猫の慢性腎不全は予防や治療することはできるのだろうか?といったことを調べてみました。

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猫の寿命とも言われる猫の腎臓病とは?

病気は嫌だと遠い目をする体の愛猫ミミ

猫の腎臓は、ざっくりと言えば血液を綺麗に保つ役割を果たしています。

腎小体および、それに続く1本の尿細管から構成されているネフロンというものが集まって出来ているのでが腎臓。

ネフロンは、ろ過、再吸収、分泌、濃縮といった役割を担っています。

ネフロンで血液をろ過して、猫に必要な栄養と害をなす老廃物とに分離、必要な栄養素(ミネラルや水分)は再吸収され、必要のない老廃物は尿として排出するのです。

腎臓病(腎不全)は、主にそのネフロンが壊れてしまい、機能が低下してしまうことを指します。

腎臓病には、急性腎不全と慢性腎不全とがありますが、猫がかかりやすく怖いのは主に慢性腎不全です。

猫の急性腎不全

猫の急性腎不全は、脱水、尿路結石、出血、心臓病、そして腎毒性(中毒性)のある食品や薬品が原因となり、腎臓に流れ込む血液量が少なくなり発症、約1週間といったスピードで急激に症状が進行する腎臓病です。

[猫の急性腎不全の原因]

猫の急性腎不全の原因は、その発生メカニズムによって、「腎性腎不全」「腎前性腎不全」「腎後性腎不全」の3つに分類されます。

  • 腎性腎不全:ウイルスや細菌などによる感染症、腎毒性のある物質の中毒。
  • 腎前性腎不全:貧血、脱水、ショック、心筋症などによる腎臓に送られる血液不足。
  • 腎後性腎不全:尿路結石や尿路損傷による尿路閉塞、排尿困難
[猫の急性腎不全の症状]

猫の急性腎不全の主な症状は、食欲低下、元気がない、明らかな頻尿もしくはおしっこが出ない、頻繁な嘔吐など。

治療が遅れてしまうと、脱水を起こし、口からアンモニア臭がしたり、さらに頻繁な嘔吐や下痢。重度の場合は、痙攣や体温の低下、意識混濁、昏睡といった尿毒症の症状が現れ、命に関わってくることになります。

ただ、慢性腎不全と違って、急性腎不全の場合は、点滴や人工透析などを行い毒素を排出、原因を取り除くことが出来れば回復することがあります。

早期に気付いて、早期に治療してあげれば、ちゃんと回復し猫の命を救ってやれる可能性が高いということですね。

ですが、猫が急性腎不全にかかって回復したとしても、腎機能が完治しないままだった場合、慢性腎不全や尿毒症となってしまうリスクは高まると言われています。

なので、その後も猫の様子を見つつ、ワクチンや室内飼いによる感染症予防、食べ物や誤飲による中毒対策、食事などによる尿路結石や腎臓負担への対策をしっかりとしてあげる必要があります。

これらは猫の急性腎不全を予防する上でも大切です。

猫の慢性腎不全

血中の老廃物をろ過して、尿として排出する役目のネフロンが少しずつ壊れ、猫の腎臓機能(ろ過機能)が75%に低下してしまった状態のことを、猫の慢性腎不全と言います。

猫の慢性腎不全の怖いところは、気付かないぐらいにゆっくりと進行していくというところ・・・それこそ数ヶ月から数年という期間に渡って腎臓を破壊していくのです。

じわじわと腎臓が炎症を起こして線維化してしまい、猫の調子がおかしいと気付いた時には、すでに腎機能が衰えてしまっていて、機能しなくっていたなんてことも多い。

先にも書きましたように、腎臓の組織が一度壊れてしまうと、治療をしても元に戻ることはなく、進行を遅らせるしか手段がありません。

ここからは、猫に多く猫の寿命とも言われる猫の慢性腎不全にスポットを当てて書いていきます。

猫の慢性腎不全の原因は?

腎臓病の原因が分からない体の愛猫

猫の慢性腎不全ですが、残念ながらいまだその原因はハッキリと解明されていません。

人間の場合であれば、塩分の取り過ぎ、糖尿病、高血圧が原因になるようですが、猫の場合は総合栄養食となるキャットフードを食べていたりするので、極端に栄養バランスを崩すということありません。

ただ、一説には砂漠の生き物であった猫、水分を有効利用するために尿を濃縮して排泄するので腎臓に負担がかかりやすいとされていたり、歯肉口内炎があると慢性腎臓病になりやすいと言われていたり。

また昨今の研究では、猫特有の特徴を持つAIM(血液中のタンパク質)の不活性化が原因ともされているようです。

腎臓が衰えて来る高齢な猫には特に注意が必要。

腎臓病にかかる猫は、7歳頃からじわじわと増え15歳以上で飛躍的にかかりやすいとされます。

15歳以上で約30%の猫が慢性腎不全だったというデータが出されているのです。

猫の慢性腎不全の初期~末期症状、猫のサイン

猫の腎臓病/ミミ

猫の腎臓病は早期発見そして早期治療が非常に重要となります。

猫の慢性腎不全は、気付くのが遅くなってしまう傾向にあり、気付いた時には手遅れになっている場合もよくあること。

なので、下記のような猫が出すサイン(症状)にいち早く気付いてあげることが、猫の余命を延ばすことに繋がります。

[初期症状]

  • 水を飲む量がいつもより多くなった、飲みに行く回数が増えた。
  • トイレの回数がこれまでよりも多くなった。(薄い色の尿を大量にする)
[進行症状]

  • 繰り返し吐くようになった。
  • 食欲がなくなった。
  • 元気が無い。
[末期症状]

  • 急激に痩せた。
  • 毛並みが悪くなった。
  • 口臭が悪化した。
  • 痙攣
  • 日中でも瞳孔が開きっぱなしになっている(高血圧症を合併)

猫の慢性腎不全は、腎機能が60%~75%失われてはじめて顕著な症状が見られるようになります。

ですので、初期症状は非常にわかりづらい病気なのですが、多飲多尿が比較的初期症状に見られやすい症状と言われています。

この時点で気付くことが出来れば、治療の幅が広がり進行を遅らせてあげることが可能になります。

猫が一日に飲む適正な水の量や飲み過ぎている場合、猫が飲んだ水の量の測り方については、下記記事に書いていますので、参考にしていただければと思います。

猫が水を飲み過ぎている、飲んだ水をすぐ吐く、それって大丈夫なの?
猫はあまり水を飲まないハズなのに、愛猫が水を飲み過ぎている、飲んだ水または透明な液体を吐いている、と心配されている方もいるかと思います。猫にとって適切な水分摂取量、多飲多尿、飲んだ水または透明な液体を吐くのは問題無いのか等について書きます。

どんな病気でもそうなんですけど、猫が出すサインを見逃さないようにしてあげて下さい。

そしてもし、愛猫の様子がこれまでと違う、なんだか様子がおかしいと感じたら、迷わず動物病院に連れて行って診て貰って下さいね。

これは猫の慢性腎不全、急性腎不全に関わらず言えることです。

猫の慢性腎不全の診断とステージ

おしっこしている実家の黒猫カイくん

先ほども書きましたように、猫の慢性腎不全は腎機能が60%~75%機能しなくなってからでないと、各種検査の数値に大きな変化(数値の上昇)が見られません

ゆえに動物病院で行われる診断は、血液検査、尿検査、そして上記したような臨床症状から総合的に判断されることになります。

血液検査だけだとか、尿検査だけ、または症状だけでは、慢性腎不全の診断は出来ない(されない)ということです。

・・・こういった辺りから、誤診や誤解が生じたりもしますので、注意が必要ですね・・・。

また、猫の慢性腎不全は、血液検査の数値や尿検査によって、4つのステージに分類されます。

診断

血液検査

血液検査で確認する数値は主に、クレアチニン(Cre)と尿素窒素(BUN)の数値となります。

クレアチニン(Cre)

クレアチニンは、筋肉を動かす時に発生し腎臓の糸球体でろ過され尿中に排泄されるタンパク質の老廃物です。

クレアチニン値が上昇している場合、腎臓におけるろ過が上手く機能していないということ、つまり腎臓に何らかの問題が生じている可能性が疑われます。

クレアチニン(Cre)の正常値は0.8~1.6となります。

尿素窒素(BUN)

尿素窒素とは、血中の尿素に含まれる窒素成分で、タンパク質が利用された後にできる最終代謝産物です。

クレアチニンと同じく腎臓でろ過されて尿中へ排出されるものなのですが、腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液のなかに残り、尿素窒素(BUN)値の上昇へと繋がります。

ただ、尿素窒素(BUN)値の上昇は、糖尿病、脱水、尿路結石、感染症など腎機能の障害以外でも影響を受けてしまいますので、腎臓病の診断にはクレアチニン値や尿検査などと併せて判断されることになります。

尿素窒素(BUN)の正常値は16~41となります。

尿検査

血液検査の数値は腎機能がかなり失われてからでないと変化が見られないので、尿検査によって尿の色や尿の濃さである比重、そして蛋白尿を調べます。

中でも猫が腎臓病になると薄い尿しか作られなくなり、尿比重が低下する(低比重尿となる)ことが多いので、尿比重値が正常値を下回る場合には、猫の腎臓疾患が疑われることになります。

尿比重の正常値は1.015~1.050となります。

猫の慢性腎不全のステージ

上記しました血液検査によるクレアチニン値と、尿検査による尿比重や蛋白尿、そして臨床症状などから、猫の慢性腎不全は以下の表のように4つのステージに分けられます。

 血液検査
(クレアチニン値)
尿検査
(尿比重)
残存腎機能猫の状態
ステージ11.6mg/dl以下正常~低比重尿・蛋白尿
(1.028~1.050)
50%以下症状は見られない
ステージ21.6~2.8mg/dl低比重尿・蛋白尿
(1.017~1.032)
30~50%初期症状
ステージ32.9~5.0mg/dl低比重尿・蛋白尿
(1.012~1.021)
10~30%進行症状
ステージ45.0mg/dl以下低比重尿・蛋白尿
(1.010~1.018)
5%以下末期症状

重複しますが、猫の慢性腎不全は腎機能が60%~75%機能しなくなってからでないと、猫の症状や各種検査の数値に大きな変化(数値の上昇)が見られません

ゆえに、飼い主さんが様子が変だと気付くのも、動物病院で猫が慢性腎不全だと診断されるのも、ステージ3まで進行してしまってからが多くなってしまいます。

願わくばステージ2前半で気付いてあげられると、治療すれば通常は2年以上生存できる可能性が十分にあるそうです。

検査結果と共に猫の状態、特に初期症状に多く見られる多飲多尿になっていないか、しっかりと猫を観察し早期発見に努めることが何よりも重要となりますね。

猫の慢性腎不全の治療方法

食事しながら療法食について語り合っている愛猫たち

何度か述べていますように、現時点で猫の慢性腎不全は不治の病です。

壊れてしまった猫の腎機能の修復は不可能ですので、治療は腎臓病の進行を遅らせることが最大の目的となります。

主な治療法

猫の慢性腎不全を早期に発見し、治療を開始出来たのであれば、状態や症状に合わせての対症治療をするのですが、その治療方法の数は30をも越えるそうですよ。

[主な治療方法]

  • 食事療法
  • 輸液療法:脱水改善
  • 輸血療法:重度の貧血時
  • 薬剤の投与:血圧安定
  • ホルモン剤の投与
  • カリウム補給:低カリウム血症時

中でも、最も効果があると言われているのが、療法食である腎臓病用のキャットフードへの切り替え、つまり食事療法となります。

食事療法

キーワードとなる栄養素は、リン、ナトリウム(塩分)、タンパク質ですね。

リンや塩化ナトリウム(塩分)は、腎臓が弱っている場合には体内で上手く分解出来ず排泄能力が低下し、多飲多尿や高血圧などになりやすいそうです。

リン

リンは、骨や歯、細胞をつくるために必要となる大切な栄養素です。

その反面、腎臓が弱っている猫の場合には、余分なリンが体内に残り、その過剰にたまったリンが猫の腎臓病を悪化させる原因ともなります。

リンを制限することで、腎臓病の猫の延命に繋がるというデータも出ているようです。

塩化ナトリウム(塩分)

塩化ナトリウム(塩分)は、猫が過剰に摂取すると血圧が上昇し腎臓に負担をかけてしまいますので、必要な栄養素ではあるものの、必要以上に与えてはいけません。

タンパク質

タンパク質の多い食事は、尿毒症を引き起こす老廃物の素となるため、量を制限すること、良質なものを与えることが重要とされています。

タンパク質に関しては、猫にとって最も重要な栄養素となるので、あまり制限し過ぎない方が良いと言われる場合もあり、議論されているところでもあるのですが、食事療法としては、低タンパクの食事が基本となります。

その他の栄養素

その他の栄養素では、アンモニア抑制に食物繊維、筋肉維持に脂肪分、腎臓の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸などが延命には効果的だそうです。

 
ただ、腎臓病と診断または不安のある猫に与える際のキャットフードに関しては、ご自身で判断せずに必ず獣医師さんに相談し、適切な療法食などに切り替えてあげてくださいね。

人工透析や腎臓移植は可能?

人間の腎臓病治療にある人工透析や腎臓移植は猫にもどうなのか?

って話も出てくるかと思います。

ただ、そういった猫の人工透析や、猫の腎臓移植といった治療方法もあることにはあるのですが、費用がかかり問題も多いっていうのが現状であり、現実的では無いのかもしれません。

人工透析

透析には「血管透析」「腹膜透析」があり、「血液透析」は、その設備を有する動物病院が少なく、費用もかなり高額になるので続けるのは困難。

「腹膜透析」は、前者よりも安価ではあるものの、感染症や合併症を引き起こすリスクを伴う上に、常に猫にエリザベスカラーをし、チューブをお腹に入れたままの生活となり、そのストレスは計り知れない・・・。

さらに一日数回の透析液交換が必要になり、看護にかなりの時間を有するので時間に余裕がないと出来ません。

腎臓移植

猫の腎臓移植については、まず健康な腎臓を提供してくれるドナー猫という倫理的問題をクリアしなければならない。

さらに猫の場合は、腎機能の低下が進んだ状態では手術に耐えられないので行えませんし、合併症のリスクも伴います。

高齢猫の場合は、若い猫に比べ術後の生存率も低くなるとも言われています。

 
といった感じで、現状では現実的に困難だとされています。

これら治療方法が、それぞれの問題をクリアして、安価に受けられる日がくれば・・・猫の腎臓病に一筋の光が差し込むかもしれず、今後に期待するしかありませんね。

猫の慢性腎不全を予防するには?

おやつのちゅ~るが大好きな愛猫ミミ

残念ながら原因が解明されていない猫の慢性腎不全に対して、猫にとって現時点ではこれといった予防手段が無いのが現状です。

規則正しく生活している猫でも、総合栄養食を食べている猫でも、腎不全になってしまう猫はいるのです・・・。

それでも、食の面では、消化吸収の良い良質な総合栄養食と新鮮な水をいつでも飲めるようにし、塩分の高いおやつは控えめにすることが重要とされています。

あと、腎臓が衰えてくる高齢の猫には、一般的に低タンパクなキャットフードが良いとされていますが、猫にとって重要なタンパク質量を極端に制限するのは良くありません。

高タンパクではなく、かといって低タンパクというよりは、成猫時よりも控えめにするといった程度が良いでしょう。

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また、上記しましたように、新鮮な水をしっかりと飲んでもらうことも大切です。

増え過ぎると細胞を酸化させてしまい、腎機能の低下と深い関係のある活性酸素を無害化する「水素水」が、腎不全の進行を抑制するのに期待されていたりもします。

その効果が実証されているわけではないものの、実際に腎不全治療の一環として「水素水」を用いている動物病院もあるそうです。

新鮮な天然水を使用して作られた「水素水」なんかもありますので、水にもこだわってみようとお考えでであれば、試してみても良いのかもしれません。

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猫の腎機能障害治療薬への期待、猫の寿命がさらに伸びる!?

猫の腎臓病に一筋の光、朝日が目に染みると言っている体の愛猫モコ

現時点では猫の腎不全に対する確かな原因は解明されていおらず、故に予防することが困難だとされています。

ですが、2016年に東京大学大学院医学系研究科によって、猫の腎不全は血液中のAIM(約350個のアミノ酸からなるたんぱく質)が機能していない、AIMの機能不全が原因であると発表したのです。

猫は急性腎不全にかかった後、腎機能が完治しないまま慢性腎不全や尿毒症となって15歳前後で亡くなるという場合が多く、猫が急性腎不全にかかってしまうと、慢性腎不全になるリスクが高まるそうです。

本来ならば、腎機能が低下すると、血液中のAIMが働いて、腎不全の原因ともなる尿中の老廃物を排除してくれるのですが、猫は多くのAIMを保持していながら、何故かそれが機能しておらず、腎機能障害(慢性腎不全)へと繋がる確率が高くなってしまっているらしい。

そこで、猫(実験なので急性腎不全にかかったネコ化マウス)にAIMを投与してみたら、腎不全によって死亡に至る確率を大幅に減らせることが判明したそうなのです。

猫が腎不全に陥りやすい原因がある程度掴めて来たことで、近い将来、猫の寿命という見方もされていた腎不全に対して、効果が期待出来る薬が開発されるかもしれません。

2020年2月現在、すでにその「AIM製剤」の開発は着々と進んでいて、しかも腎不全治療薬としてだけではなく、泌尿器疾患全般の予防薬としても効果が期待できるという。

猫にとってさらに寿命が延びる可能性を秘めた夢のような薬になるかもしれませんね。

猫の腎臓病について、考察とまとめ

猫の腎臓病/モコ

猫の腎臓病、特に慢性腎不全はゆっくりと進行し、酷くなってからでないとはっきりと症状が現われず、発見しづらいくせに早期発見が重要となる非常に厄介な病気です。

回復の見込みの無い猫の腎臓は、年をとれば衰えてくるのが至極当然です。

昨今、猫も寿命が延びて高齢化が進んでいます。

ゆえに、猫がこれまでよりも長生きするようになった事で、腎臓病にかかる猫も多くなったと思われます。

 
それぞれの考え方はあると思いますが、うちの実家では高齢になってからの猫の腎臓病は老衰・寿命だと捉えています。

もちろん出来る限りの治療は施していましたが、目が見えなくなったり、辛そうにしているのを、ただただ見守るしか無いような状態だったそうです。

そして、今でも、たまにオカンが呟く時があるのですが「あの時は通院通院でほんま大変やった・・・それなのにちっとも善くならへん・・・」と。

あくまでも僕個人の意見ですが、僕も実家と同様に猫が高齢になってからの腎臓病は避けては通れない道でもあり自然の流れだと思っていたりもします。

腎臓病になってしまったら、やれることをして、あとは看取ってやるしかないのだと・・・老衰で亡くなったという猫の中には、実は腎不全だったということも多いのではないでしょうか。

 
こうやって書いてしまうと、諦めるしかないとも思われそうですが・・・決してそうではありません。

大事なことなので何度も何度も書きますが、猫の腎臓病が酷くなってからでは遅いということ・・・それこそ寿命だと諦めるしかないような状態になってしまうので、早期発見がいかに大切かということです。

猫の出すサインにしっかりと気付いてあげることが本当に重要。

・・・気付いてあげるのがとても難しい病気ですが、特に多飲多尿になっていないか、そこに注意を払うだけでも随分違って来るだろうし、その時点で気付けたのであれば、猫の慢性腎不全の進行を遅らせて延命させることは十分に可能です。

また日頃の食生活において、消化吸収の良い良質な総合栄養食と、いつでも飲める新鮮な水の準備、おやつをほしがってもグッと我慢してなるべく控えるようにすること、そして定期検診を受けることも大切ですね。

そしてそして、近い将来には夢の腎不全治療薬(抑制ではなく治療)が完成する可能性もあり、腎臓病を早期に発見し進行を遅らせ延命させることが、意味を成してくる可能性も大いにあるのです!!

この記事を書いていて、ちょっと辛い気持ちにもなってしまいましたが・・・愛猫と一日でも長く一緒にいるために、この記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。

 
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また、慢性腎不全になると猫は生涯通院が必要になり、積み重なった費用が高額になってしまいます。

早期発見が重要なのに病院へ連れて行くのを躊躇う場合もあるかと思います。

そうならない為の備えでもある保険についても、あれこれ調べて記事にしていますので、興味があればご覧下さい。

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この記事を書いた人
レウ

35年間猫と暮らし、今現在2匹の猫と暮らす猫バカ。地図会社、印刷会社、システム会社を経て、物作りの楽しさを知りブログを書き始める。猫を長生きさせることを目標とし猫ブログを立ち上げ、愛猫たちの出来事、猫に関する役立つ情報など、経験した事も交えながら、飼い主目線で記事を書いてます。猫以外では映画やゲームが好きなインドア派。

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