こんにちは!レウです。
大好物のたとえ。また、それを与えれば非常に効き目があることのたとえ。として「猫に木天蓼」ということわざがありますよね。
一般的には、猫にまたたびを与えると、猫はお酒に酔って狂ったかのような状態(またたび踊りとも言われているそうなww)となります。
その様子は、え?そんなに!?これって大丈夫なの!?って心配になってしまう程(笑)
その猫を引きつける性質を利用して、おもちゃなどに擦り込まれていたり、粉状になったモノを食事にふりかけて食欲を増進させたり、はたまた爪研ぎなどのしつけの一環としても、またたびが使われることもあります。
ただ、先ほど“一般的には”と書いたのは、希にまったくまたたびに反応を示さない猫もいたりも(汗)
ということで、今回は猫とまたたびについて、またたびとは何なのか、なぜ猫はまたたびが好きなのか、その効果、猫にとって危険性は無いのか、適切な与え方など、動画を含むうちの愛猫たちとマタタビボールと併せて色々と書いていきます。
またたび(木天蓼)とは?
まずは、またたびって何?って話からしていきます。
特に興味が無ければ飛ばしちゃっていいところだったりしますが、よりまたたびの事が解って良いかと思います。
またたび(漢字で「木天蓼」)は、マタタビ科マタタビ属の落葉つる性の木(キウイと同類)、夏(6~7月)には、梅によく似た小さな白い花を咲かせることから、別名「夏梅」とも称されます。
日本では珍しくもない植物なのですが、日本全土(北海道から九州)と朝鮮半島の山岳地といった実に限られた地域にしか自生しておらず、世界的に見ると何気に珍しい植物のようですよ。
またたびの実は正常だと楕円形なのですが、しばしば花が咲く前のつぼみの中にマタタビミバエやマタタビノアブラムシといった虫が卵を産み付けることで、偏円形でボコボコとした凹凸のある虫こぶの実(虫えい果)が形成され、正常な実が熟す前に落ちてしまうそうです。
で、その虫こぶの実を乾燥させることで、「木天蓼(もくてんりょう)」という人間用の生薬ともなり、また猫には恍惚感・多幸感を与えるのだそう。
だから、またたびを漢字で書くと「木天蓼」となるわけですね~。
ちなみに、正常な実だと、虫こぶの実に比べて薬効がすこぶる劣ってしまうそうなんです(汗)
それは猫に与える恍惚感・多幸感も同様で、またたびの木には幹、枝、葉、実(正常)などがありますが、正常ではない虫こぶの実に対して猫は特に大きな反応を示すそうなんです。
なんとも興味深く、そして不思議ですよね~(汗)
マタタビミバエやマタタビノアブラムシとまたたびの実の関係って、いったいなんなんだよ・・・。
なぜ猫はまたたびが好き?
またたびには、揮発性の臭気物質マタタビラクトン(イリドミルメシン、イソイリドミルメシン、ネペタラクトンなどの総称)、アクチニジン、β-フェニルエチルアルコールなどといった成分が含まれていて、その3種の成分が猫を酩酊状態にさせるといわれています。
これらの成分の中(ネペタラクトン)には、猫の性フェロモンと構造が似ているものもあり、性的な感情を呼び起こし猫を興奮させる作用があるのではないか、と考えられているとのこと。
また、またたびに含まれるβ-フェニルエチルアルコールというバラのような香りのする物質の作用によって猫はよだれを垂らしたりもするそうです。
ちなみに、猫だけではなくライオンやトラなどネコ科の動物全般に効果があるとのこと。
猫がまたたびを好きっていうよりも、それらの興奮成分に触れる(感知する)ことで、問答無用に?興奮させられていると言った方が良いのかもしれませんね(笑)
猫に対するまたたびの効果
さて、またたびを猫に与えることでいったいどのような効果があるのでしょうか?
猫を酩酊状態にするようなマタタビラクトンやアクチニジンといった成分が、猫の口の中(口蓋)にありフェロモンなど微量な分子成分を感知・分析する「ヤコブソン器官」を通過することで、中枢神経が刺激され猫は下記のような陶酔反応を見せます。
- 走り回ったり興奮する
- 頬やあごを擦り付ける
- 寝転がって体をくねらせる
- 背中の皮膚が逆立つ
- ゴロゴロ喉を鳴らす
- 大声で鳴きわめく
- よだれを垂らす
またたびを猫に与えると、これらのような陶酔反応が、5分~10分程度続きます。
また、猫が口の中のヤコブソン器官を使うのであれば、フレーメン反応同様に、口が開きっぱなしになっている猫もいるかもですね(笑)
個体差はあるものの、かなり激しく反応する猫もいるので、はじめて見る方は少々驚かれたり、大丈夫かしら!?って心配になるかもしれません(笑)
ですが、猫にまたたびを与えることで、リラックス状態になるなど良い効果があるとされています。
- ストレス解消:お酒を飲んでストレスを解消するイメージ?
- 運動不足解消:興奮して活発に動く、遊ぶようになる
- 食欲増進:フードや水に混ぜると食欲が増す(※食欲不振に病気が疑われる時は注意)
- しつけ:猫の爪研ぎやおもちゃに慣れさせるのに有効
- 老化防止:またたびをかじることで脳に刺激が加わり老化予防が期待出来る
うちのモコミミの場合は、主にストレス解消を目的に、またたびを与えていますね。
その他では爪研ぎに慣れてもらう為、まぁこれは爪研ぎを買うと同梱されているので、一応使っているって感じですが。
あとは、おもちゃに擦り込まれているパターンかな、基本的にまたたびが擦り込まれているおもちゃは猫ウケ良いです(笑)
しかし、これら猫のまたたびへの反応や効果は個体差があり、必ずしも上記したような反応や効果が得られるとは限りません。
またたびが効かない猫もいる!?
え!?うちの猫ってば、まったくまたたびに反応しないんだけど・・・
一応、反応はするけど、そこまで強い反応は示さず、すぐ飽きてしまう・・・
そういった猫も少なからずいるかと思います。
まず、上記しましたように、またたびに含まれる成分がフェロモンなどを感知する「ヤコブソン器官」を通り中枢神経が刺激されることで、猫たちに興奮をもたらします。
つまり、性的な意味でまたたびの効果(興奮)が現れるということになりますので、まだ発情期を迎えていない子猫、避妊・去勢をした猫なんかは、またたびの効果が薄くなるかもしれません。
ちなみに、メス猫よりもオス猫、老猫よりも若い猫の方が、またたびに強く反応を示すようです。
また、またたびへの反応や効果には個体差があり、アメリカで行われた調査では、生まれつき全くまたたびに反応を示さない猫が調査対象の100頭のうち2割ほどいたそうです。
もしも、まったくまたたびが効かない猫がいても異常ではなく体質的なもの。
お酒に強くてまったく酔わない人、薬が効かない人、人間でも個体差がありますよね?それと一緒ですので、心配する必要はありません。
猫にまたたびを与えた時の反応が見られないというのは、ちょっぴり残念に思うかもしれませんが・・・。
またたびは人間にも効果あり
先ほどチラッと書きましたが、マタタビミバエやマタタビノアブラムシといった虫の産卵によって出来る、虫こぶの実(虫えい果)を乾燥させることで、「木天蓼(もくてんりょう)」という人間用の生薬になります。
またたび茶やまたたび酒といった形で嗜まれているそうですよ。
- 血行促進
- 滋養強壮
- 疲労回復
- 免疫力アップ
- 利尿作用
- 生活習慣病予防
こちらも個体差はあるかと思いますが、猫だけではなく人間にも何かしら効果があるというのはちょっと驚きですね。
ちなみに、またたびの虫こぶの実ではなく、正常な実は辛味や苦味が強いので塩漬けにして食べられているそうですが、こちらは生薬ではなくただのお漬け物だそうです。
重複しますが、またたびとマタタビミバエやマタタビノアブラムシの関係って・・・。
またたびの危険性は?
さて、何気に気になる部分がこれですよね?
猫が興奮したり酩酊したりよだれ垂らしたり・・・ある意味、麻薬などにも似たイメージをもたれがちなまたたび。
そんなまたたびが猫にとって危険ではないのか?というところ。
最初に結論から言ってしまえば、“中毒になる”や“依存する”、“中枢神経が麻痺する”などといった薬物によって引き起こされそうな件に関しては、そんなに心配する必要はありません。
「またたびが猫の脳にダメージを与える」というのは、ドイツの動物学者が討論会で述べたエピソード的な報告に過ぎず、研究結果でも論文でもないそうです。
ゆえに、あちらこちらでその報告のみが都市伝説的に囁かれていたりもしますが、現時点ではまたたびが猫に害を与えるという証拠は何一つ見つかっておらず、どこにもそんな医学的な根拠は存在していないそうです。
一時的に酩酊状態とはなるものの、“中毒になる”や“依存する”、“中枢神経が麻痺する”ことはなく、むしろ副交感神経に作用しやすくリラックス効果の方が大きいと考えられているようです。
事実、うちのモコミミ、特にモコはてんかん持ちだったりしますが、制限なくまたたびを愛用(下記参照)していても、何の異常も見られません。
もちろん、またたびが原因でてんかん発作が起こったことも、今まで一度もありません。
モコにとってのまたたびは、てんかんへの作用よりも、リラックス効果の方が大きいのかもしれませんね。
これはまぁうちのモコの場合の話です。
てんかん持ちのラットに、またたびと同じ効果のあるキャットニップを与えたところ、発作を起こしやすくなったという報告もあります。
てんかん持ちの猫がまたたびを与えている最中やその直後にてんかん発作が起こすような場合には、興奮状態が引き金となっている場合も考えられるので、またたびを与えるのは止めておいた方が良いと思います。
あと、またたびには呼吸数増加や血液上昇といった作用もなく、猫がショック死しただとか呼吸困難になっただとか巷で囁かれているような事象の原因は、またたびとは別にあるのかもしれないとのこと。
ただ、またたびが猫の脳に害を与えるといった事実は無いものの、何事もそうなのですが、与え過ぎはやはりよくないと思います。
そして、脳以外でも心臓や胃腸など、または物理的もしくは与えるタイミングによる危険性はあるかと。
体調不良、心臓が弱い猫、胃腸への影響にも注意
またたびが脳にダメージを与えることは無いにしても、その他の部分には注意が必要にも感じます。
体調不良を起こしている猫を興奮させるのは余計な負担になりかねません。
心臓の弱い(心臓に疾患のある)猫に対しても、やはり興奮させるのは得策ではないように思います。
また、食べるタイプのまたたびは、胃腸の負担にならないようにもしなければなりません。
またたびの誤飲・誤食に注意
物理的な危険性と言えば、またたびの誤飲・誤食。
またたびアイテムは様々な形で売られています。
またたびの実や枝、おもちゃに擦り込む形態など、モノが小さければ猫が誤飲・誤食してしまいかねません。
粉(パウダー)にしても大量に吸ってしまえば、それこそ呼吸困難に陥らないとも限りません。
またたびに限ったことではありませんが、猫の誤飲・誤食は猫の事故としては最も多いそうですので、猫が口にしそうな物に関してはしっかりと管理して、十分に注意する必要があります。
またたびの与え方
またたびの猫への与え方については、匂いを嗅がせたり、直接舐めさせたり食べさせたりといった方法となりますね。
ちなみに・・・
匂いを嗅がせるパターンのもの(猫のおもちゃ、スプレー、またたびの枝等)は、効果が薄いものの長続きするという特徴があります。
直接舐めさせたり食べさせたりするパターンのもの(粉末のふりかけ、おやつ等)は、効果は強いものの、効き目は短いという特徴があります。
これらはまたたびを使う目的や猫の好みによって使い分けると良いかと思いますよ。
さて、ここからは、またたびを猫に与える場合、いつからいつまで与えても良いのか、与える量はいかほどか、与える頻度はどのぐらいにした方が良いのか、それぞれ見ていきます。
いつからいつまで与えても良い?
またたびを猫に与えはじめるのは、一般的に生後6ヶ月~1歳頃が良いとされています。
それぐらいの時期ですと、嗅覚や神経系が十分に成長してると言えるからだそうです。
それ以前の幼猫の場合、脳が未発達であり、パニックを起こしてしまう可能性があるとのこと。
それに発情期を迎えていない子猫にまたたびを使っても、効果が薄い場合がありますので、発情期を迎えてからって考えると、やはり生後6ヶ月以降にすべきだと思います。
またたびの製品には、推奨年齢が記載されているものもありますので、必ず記載されている注意事項を確認するようにしましょう。
また、猫にいつまで(何歳ぐらいまで)またたびを与えても良いのかという件については、老猫にまたたびを与えて体調不良に陥ったという報告はありませんので、明確な年齢制限はないものと考えられます。
若い猫に比べて老猫は、またたびへの反応が薄くなっていくという話ですので、それぞれの猫次第ってところでしょうか。
ただ、猫も年を取ると体調不良や病気にもかかりがちになりますし体力も落ちて来ますので、猫の様子や興奮度合いを見ながら決めるのが良いかと思います。
与える量は?
与える量に関しては、上限・適量ともに定かではありません。
中毒・常習性もありませんし、効果も一時的なものであり、与え続けても反応はどんどん薄くなっていきますので。
ただ、やっぱり最初から多く与えるのはどうかと思いますので、最初は少量(耳かき半分~1杯分乗せたぐらい)から与えていき、猫のまたたびへの反応など様子を見ながら少しずつ増やしていくのが良いかと思います。
直接舐めさせたり食べさせたりするパターンだと、胃腸への影響も鑑みる必要があるので尚更ですね。
またたびへの反応には個体差がありますので、猫それぞれの適量を見つけ出しましょう。
与える頻度は?
またたびを与える頻度としては、毎日与えると効果が薄れていく可能性がありますので、間隔を空けて与えるのが良いですね。
上記で猫に対するまたたびの効果として挙げたように、ストレス解消、運動不足解消、水も含む食欲増進、しつけ等々、目的に応じたタイミングで与えると良いかと思います。
ちなみにうちの場合(下記参照)は、マタタビボールやまたたびの木を部屋にそのまま出した状態にしていますけどもね(汗)
うちの場合はストレス解消にまたたびを与えているのですが、猫たちの気分次第で、擦り付いたり、しがんだりしていますよ。
与えているのが、マタタビボールだったり、またたびの木であることが、功を奏しているのかもしれませんが。
我が家の猫たちはマタタビボールがお気に入り(動画あり)
ここからは、うちの猫たちモコミミとまたたびについてのお話をしていきます。
うちの場合、またたびは猫たちのストレス解消を目的として使っています。
またたびが擦り込まれた猫のおもちゃや、爪研ぎに付いてくる粉末状のまたたびなどありますが、うちの猫たちモコミミがメインで使っているのはマタタビボール。
「あけび」のつるを編んだボールの中にマタタビの木(枝)が数本入っているという岐阜県は飛騨高山の朝市で売られているマタタビボールで、友人からお土産として貰ったのがはじまり。
そのまま使えるのはもちろんのこと、中に入っている木を取り出して使うことも可能。
まずはマタタビボールをそのまま使い、猫たちの反応が薄くなってきたら中の木を取り出して与えるようにしています。
これがまたモコミミに大好評。
特にモコがお気に入り。
マタタビボールまたはまたたびの木を自分の近くに置いて寝ていることもしばしばです。
時にはマタタビボールで遊んで疲れたのか、暖かい陽射しも相まって、モコがマタタビボールを抱えたまま枕にして寝ている時も。
うちではマタタビボールもまたたびの木も部屋のあちらこちらに出しっ放しにしていますので、うちの猫たちは気が向いた時に、しがんだり、猫キックしたり、転がしてみたりと、またたびで遊んでいます。
大きさ的に誤飲・誤食の心配もありませんし、猫たちに提供した直後はもの凄い反応を示すものの、数日経てばそれも落ち着いて適度な反応になるので、自分が遊びたい時だけ適度に遊ぶ形となって丁度良いのです。
またたびで最も効力が大きい虫こぶの実(虫えい果)を使用したような物では無いし食べるタイプでもないので、与え過ぎてどうのこうのって問題も無いんですよね。
まぁその分反応は若干薄めかもしれませんが(汗)出しっ放しにするのは丁度良いのです。
それでも猫たちに提供(新調)した直後はもの凄い反応を示します。
これはマタタビボールを新調した時の動画なのですが、モコもミミも取り合うようにして激しく反応、酔いしれています(苦笑)
マタタビボールはよだれまみれ、特にもモコはよだれを飛ばし、自分のほっぺもよだれでびちゃびちゃになりながら陶酔しています(汗)
この動画で新調したマタタビボールで、もうストックがなくなってしまいました。
同じものをネットで変えるショップを見つけたのですが、今現在ずっと売り切れていますし、お土産で貰った物と若干違っている部分も。
このマタタビボールはかなり長持ちする(数年レベル)ので、今すぐどうこうって話ではありませんが、いずれは自ら高山の朝市に出向いて仕入れて来なければならんなぁって思っていたりします(苦笑)
猫とマタタビについて、考察とまとめ
猫たちが好き・・・というよりも、主に性的興奮により問答無用で興奮させられてしまうまたたび。
頬やあごを擦り付けたり、寝転がって体をくねくねさせたり、よだれを垂らしたり(笑)
一見、危ない薬物でもやっているのかと思える状態になりちょっぴり心配になってしまうものの、安全性の高い猫の嗜好品となり、ストレスや運動不足の解消、食欲増進などといった効果と共に、爪研ぎやおもちゃなどに慣れさせる為にも使えちゃいます。
まさに「猫に木天蓼」という言葉がしっくり来ますね!
ただ、食べる・舐めるタイプであったり誤飲・誤食しそうなまたたび商品の扱い方には少々注意が必要です。
またたびはしっかりと保存管理し、目的に応じて猫に与え、猫の様子を見ながら与える量や頻度を調節していきましょう。
と言いつつ、うちはマタタビボールやまたたびの木を常に出しっぱなしにしていたりしますが(汗)
それでも、誤飲・誤食の危険性や猫に対する効き目、そして猫の様子を見た上での判断です。
また、どうしても心配だと感じる方は、またたびは必ずしも猫に必要な物ってわけでもありませんので、使う事自体をやめてしまっても問題ありません。
おやつ同様あくまでも嗜好品として考えましょう。
あと、うちの猫にはまたたびが効かない!といった方は、またたびと似たような効果が期待出来る「イヌハッカ(キャットニップ)」を試してみても良いかも知れませんよ?
それにしても・・・マタタビミバエやマタタビノアブラムシとまたたびの実の関係って、いったい・・・(しつこいww)
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