こんにちは!レウです。
皆さんの愛猫さんは避妊もしくは去勢されているでしょうか?
うちの愛猫モコは去勢を、ミミは避妊を済ませています。
猫と一緒に暮らす上で必ずぶち当たることになるのが、避妊と去勢つまり不妊手術をするかしないかって問題です。
猫を飼う際、基本的には避妊や去勢をすることが推奨されていますが、人間の都合で手術なんてさせたくないだとか、自然の理に反するだとか、または普通に子供を産ませてやりたいだとか色々な考え方があって、とてもデリケートな問題でもあります。
うちの実家でも、選んだ病院が良く無かったのか、もしくは今よりも医療技術が進歩していなかったからなのか、大昔に避妊手術によって愛犬を失って以来、手術させるのが怖くて・・・猫を飼い始めてからも避妊や去勢はしない方向で考えていました。
ただ、猫が発情期に入るとそれはもう大変で・・・。
大きな声で鳴き喚くは、あちらこちらで猫スプレーするは、猫によってはパートナーを求めて脱走しようとしたり・・・。
そういった猫の行動を抑制させる為、そして多頭飼いし始めた為に、猫の避妊や去勢を行う方向にシフトしていきました。(ちなみに、これまで実家やうちの猫、姉弟達の猫、全9匹の避妊や去勢手術を見て来ましたが、特に大きな事故はありません。)
ん?でもそれって人間の都合じゃん?って思う方もいるかもですね。
ですが、実はそれだけではありません。猫の病気予防やストレス対策としても避妊や去勢は有効な手段となるのです。
この記事では、猫の避妊・去勢について、必要性からメリットとデメリット、不妊手術を行う適切な時期、かかる費用や助成金、手術の流れや術後の注意点、そして避妊や去勢すると猫の性格は変化するのかどうか等々を書いていきます。
猫の避妊・去勢の必要性とは?
猫の避妊・去勢が推奨されている最大の理由は殺処分を減らすことにあります。
毎年、数万頭という凄まじい数の犬や猫が殺処分されていて、その8割が猫さらに6割が子猫という状況なのです。
猫は繁殖力が強く、交尾すればほとんどの場合が妊娠して、一度の出産で平均3~5匹を産みますので、オスメス多頭飼いであったり、放し飼いしているような場合、放っておくとどんどん増えていくという結果となります。
そうなると、飼い猫であれば育児放棄が起こったり、一匹一匹の猫に手が行き届かなくなり劣悪な環境化で暮らすことになってしまったり、はたまた野良猫であれば増え過ぎた猫に対して苦情などが出れば保健所が動くことになり、結果殺処分となってしまいます。
そんな不幸な殺処分を減らす最も有効な手段となるのが、猫に避妊や去勢を行い「望まれない命、幸せになれない命」を無闇に増やしてしまわないようにすること。
引き取り手が見つかるだろうと安易に考えていても実際には見つからなかったり、経済的に厳しかったり、世話が出来ずに捨ててしまう、または保健所に連れて行ったり、多頭飼育崩壊が起こったり・・・。
望まれない命なんてあるわけが無いと言いたいところですが現実はそうではありません・・・。
最近では、そういった不幸な猫の殺処分を少しでも減らそうと動き出す自治体も増えて来ています。
避妊・去勢を推奨し野良猫を保護した場合に手術にかかる費用を補助していたり、不妊手術を行った野良猫にはその印として耳をVの字にカットし「地域猫」または「サクラネコ」と呼び、受け入れていこうというTNR活動が盛んになりつつあります。
ちなみにうちの愛猫モコミミも避妊・去勢した時には、動物病院の先生から提案があり、野良猫を保護したということで安く手術をしてもらいました。正直そんな制度はまったく知らなかったのですが(汗)
生まれてくる子猫の引き取り手が確実に存在していたり、計画的に面倒をみることが出来るような場合を除いて、猫の不妊手術(避妊・去勢)が推奨されているのです。
猫の避妊・去勢のメリット・デメリット
猫の避妊・去勢は、無闇な繁殖を抑え殺処分を減らすというだけではなく、他にも猫と飼い主共に多くのメリットがあります。
もちろんデメリットもありますし、必ずしもってわけではないのですが、個人的にはメリットの方が大きいのではないかと考えます。
実際に、去勢したオス猫は平均62%、避妊したメス猫は平均39%、避妊去勢をしていない猫よりも長生きしたという統計データが出ていますからね。
以下、オス猫の去勢およびメス猫の避妊それぞれについてメリットとデメリットについてです。
メス猫を避妊するメリット
メス猫が避妊することで獲られるメリットは以下の2つですが、病気の予防といった面ではオスの去勢よりも重要になって来ます。
- メス猫特有の病気予防
- メス猫の発情行動緩和(鳴き叫び、ストレス軽減)
メス猫特有の病気予防
メス猫に避妊は卵巣や子宮を取り除きますので、生殖器の疾患である卵巣癌そして子宮内膜炎や子宮蓄膿症などといった病気をほぼ確実に予防することが可能となります。
メス猫を避妊する上で最大のメリットとも言えるのが、乳腺の悪性腫瘍つまり乳癌の発生確率を格段に減らすことが出来るというところ。
メス猫に多いとされる乳腺腫瘍は、ほとんどの場合悪性(乳癌)である場合が多く、命にかかわってくる病気ですので、メス猫の場合の避妊手術はそういった病気から猫を守るためにも、必須と考えて良いのかもしれません。
また、出産すること自体も、当然のことながら様々なリスクを伴うことになりますので。
メス猫の発情行動緩和
メス猫が発情期になると、昼夜問わずスイッチが入り大きな声で鳴き叫びます。
これもまた実家にいる時に悩まされた猫の行動でもあります。
個体差はありますが、実家の子の場合、かなり周囲に響く声で泣き叫ぶのでご近所迷惑にもなってしまいますし、こちらの気が狂いそうになるぐらいのものでした。
そして、その要求は満たされることもなく、猫自身も性的ストレスを溜めてしまいます。
避妊を行うことで、これらメス猫の発情期に見られる鳴き叫びや、猫自身のストレスを緩和させることが出来ます。
オス猫を去勢するメリット
オス猫が去勢することで獲られるメリットは以下の3つで、特に問題行動の緩和が大きいかと思います。
- オス猫の問題行動緩和(喧嘩・徘徊・スプレー)
- 性的ストレスからの解放
- オス猫特有の病気予防(リスク軽減)
オス猫の問題行動緩和
オスは去勢することで攻撃性が緩和されるので、飼い主への攻撃的な行動や縄張り争いなどで喧嘩するようなことが減ります。
特に外にも出掛けるという猫の場合は、喧嘩による怪我などが心配されますので重要ですね。
また本能的な徘徊(放浪)行動の抑制にも繋がります。
これは発情期にパートナーを求めて外に出たがる(脱走)したがるような室内飼いの猫に有効となりますね。
そして、室内飼いしている場合、個人的にはこれが一番大きいのではないかと思うのですが、オス猫のマーキングスプレーの改善が期待出来ます。
マーキングスプレーとは、縄張りの主張や発情期などに多く見られる通常のオシッコの数十倍のアンモニア臭を発する液体を噴射する行為で、オスメスともに行いますが、特に去勢する前のオスに多い行動とされます。
これに悩まされている方も多いのではないかと思います。実際うちの実家がそうでしたから(汗)
避妊・去勢をすることで、そのタイミングもあって残念ながら100%ではないものの、90%の確率でこのスプレーが減少するとのことです。
ちなみに避妊去勢を済ませたうちの猫たちは一切やりません。

性的ストレスからの解放
人間でも性的要求が満たされないと悶々しちゃうってこともありますよね?え?無い!?
それと同じです。いや、猫は人間よりも本能で生きる動物だし、きっともっともっと悶々しているハズ・・・。
ですが、完全室内飼いされている猫であれば、当然のようにその要求が満たされることはありません。辛いですよねきっと・・・。
そこで、去勢手術することによって、性的欲求不満の源となる性欲自体を無くしてしまい、そういった性的ストレスから解放されるというわけです。
ここはちょっと心の痛むところでもあるのですが・・・人間と一緒に住む上では、猫にとってはそれが最善の策になるのではないでしょうか。
モコを去勢する時した後、ごめんなぁごめんなぁって言っていた記憶がありますorz

オス猫特有の病気予防
去勢手術では精巣を取り除きますので、まず確実に精巣腫瘍を防ぐことになり、また前立腺疾患の発生率を下げることが出来ます。
外に出掛ける猫の場合、不用意な生殖行動や喧嘩が少なくなるので、猫エイズと呼ばれる猫免疫不全ウィルス感染症や猫白血病ウィルス感染症などの感染症リスクを軽減させることが出来ます。
4種混合~7種混合や猫エイズワクチンも併せて行っておけば更に感染症にかかる確率は減らせるかと思いますよ。
避妊・去勢のデメリット
ここまで避妊・去勢することで得られるメリットについて書いて来ましたが、デメリットも存在します。
- 太りやすくなる(肥満)
- 手術時の麻酔リスク
- 生殖能力を失う
- 一部の病気リスクが高まる(あくまでも可能性)
太りやすくなる(肥満)
猫が避妊・去勢を行うことによるリスクとして最もよく言われるのが、ホルモンバランスが崩れてしまうことによって、猫が太りやすくなってしまうということ。
メス猫は避妊後、代謝の減少もしくは食事摂取量の増加することにより、太りやすくなり肥満となってしまう可能性があり、オス猫はハッキリと分っていないものの去勢した猫の方が、体脂肪や体重が増加する傾向にあるそうです。
うちの愛猫モコとミミは、モコが去勢したオスですがとくに体重の変化はなく、避妊したミミは少しぽっちゃりとしています。

麻酔リスク/生殖機能を失う
猫の避妊・去勢手術は全身麻酔を行うことになってしまうので、技術は進歩しているものの猫に負担がかかりますし、手術するにはそれなりの危険(麻酔リスク)が伴うことは頭に入れておかねばなりません。
また、当然のことながら、不妊手術を行えば猫から生殖能力を奪ってしまうことになりますので、術後にその猫の血を受け継いだ子孫を残してやりたい、赤ちゃんを産ませてやりたいと思っても、それは永久に叶わなくなってしまいます。
一部の病気リスクが高まる
これに関しては、そのメカニズムだとかがハッキリと解明されていないので、あくまでも“その可能性もある”として捉えていただきたいと思います。
猫が避妊や去勢をすることによって、下部尿路疾患や糖尿病への発症リスクが高まってしまうそうです。
その理由は分らないのですが、そういった調査結果が出ているようで、可能性は完全に否定出来ないようです。
糖尿病に関しては、肥満が関係しているのかもしれませんが・・・。
猫の避妊・去勢手術は失敗することもある?
猫の避妊・去勢手術は外科手術の中でも難しくない部類に入る手術なので、失敗する可能性は極めて低いとされています。
猫の避妊・去勢手術(術前、術中、術後、退院後)においての猫の死亡率は1%にも満たない数字なのです。
ですが、やはり100%安全かと言えば、そこは体にメスを入れる手術ですので、失敗する可能性も否定出来ません。
人為的なミスや先ほど書きました全身麻酔のリスクもあります。
どうしても不安に思うのであれば、少しでもそういった事故が起こらないように、猫に避妊・去勢手術を行う際、かかりつけの信頼出来る病院、または実績があり評判の良い病院を探してみるのも一つの手段だと思います。
また、術後はしっかりと猫の様子を確認し、猫の体調や手術跡に何かしらの異変があった場合には、早急に病院で診て貰うようにしましょう。
猫に避妊・去勢を行う時期
猫に避妊や去勢といった不妊手術をする時期、タイミングとしてはいつ頃が良いのでしょうか。
一般的には生後6ヶ月ぐらいと言われていて、オス猫であれば生後6~10ヶ月、メス猫であれば生後6~8ヶ月とされ、最初の発情期を迎える前に手術するのが良いとされています。
先ほどメリットのところで書いた乳癌で言えば、1歳未満で手術を受けた猫では発症率が86%減少、生後6ヶ月齢未満で手術を受けた猫なら91%減少したとされています。
また、猫スプレーについても、はじめの発情期を迎える前に、避妊・去勢手術を行った方がより効果が期待出来るそうです。
ただ、ワクチン接種やダニやノミの駆除、はたまた健康診断を受けてその結果が出てからでないと手術をしてくれない病院もありますので、発情期が来た時に慌てない為にも、猫が生後5ヶ月ぐらいの時点で一度病院に行き相談してみる方が良いのかもしれません。
逆に8歳を過ぎてシニア世代に突入した猫の場合には、事前にしっかりと血液検査や健康診断をした上で、体調や体力など全身麻酔をしても大丈夫かどうかを調べてもらい、獣医さんと相談して避妊・去勢手術を行うようにしましょう。
猫の避妊・去勢手術にかかる費用
猫の避妊・去勢手術にかかる費用はおいくらぐらいなのでしょうか。
費用に関しては、各病院毎に違っているので、あくまでも参考程度にしていただきたいのですが、一般的には以下のような金額となることが多いようです。
- メス猫の避妊手術費用の目安:15,000円~30,000円
- オス猫の去勢手術費用の目安:10,000円~20,000円
ただ、この他に診察料、薬代(鎮痛薬や抗生剤)等々、そして事前に検査を行う場合には別途費用がかかる場合もあり、総額でだいたいいくらになるのかは病院の方に確認してみるのが良いかと思います。
猫の避妊・去勢手術には助成金も
先ほどチラっと書きましたが、各自治体もしくは獣医師会に所属する動物病院などでは、助成金によって避妊・去勢手術の費用を補助(一部負担)してもらえる場合があります。
補助制度の有無はもちろんのこと、飼い主の居ない猫、野良猫を保護した場合、術後の適切な管理または引き取り手が居る場合に限る等々いくつかの条件もあります。また、一部ですが飼い猫であっても助成金が出る場合もあったりします。
お住まいの自治体や獣医師会のホームページなどで確認し、不明点があれば問い合わせてみましょう。
「猫、避妊/去勢/不妊、助成金、各自治体(県名や市区町村)名、獣医師会」などで検索をかけるとすぐに出て来るかと思いますよ。
避妊・去勢手術の流れ
避妊・去勢手術の流れをザッと書いていきます。実際の流れとは異なる場合もあるので参考程度にお読みください。
避妊手術
メス猫の避妊手術は、卵巣と子宮の除去することを目的とします。
全身麻酔をかけて、お腹の辺りの毛を剃り、1㎝~3㎝ほどの切れ込みを入れます。卵巣に繋がる卵巣支持靭帯、動静脈、子宮角を切り離します。
また、最近では腹腔鏡を使って、お腹の傷口を最小限に留める手術も増えていて、その場合には術後の痛みや精神的なストレスもだいぶ緩和されるようですよ。
避妊手術は30分~1時間程度で済みます。手慣れていれば10分ほどで終わることも。
傷口は縫合しますので、1週間~10日後ぐらいに抜糸をする為に再度病院に行くこととなります。溶ける糸を使っている場合には抜糸の必要が無い場合も。
去勢手術
オス猫が行う去勢手術とは、精巣を除去することを目的とします。
全身麻酔をかけて、睾丸の毛を剃り、必要最小限の切れ込みを入れて精巣を取り出し、精巣に繋がる血管と輸精管を切り離します。
去勢手術はメスの避妊手術よりも簡単で数十分程度で済みます。手慣れていれば1分ほどで終わることも。
うちのモコの場合、抜糸はありませんでしたが、獣医さんによっては傷口を縫合する場合もあり、その場合には抜糸を行うこともあるそうです。
避妊・去勢手術の流れ
①予約
事前に連絡を入れ、病院側と相談の上で手術の日を決めます。
病院によってはワクチン接種や健康診断を受けてからの手術になる場合もあります。
また、発情中でも手術は可能らしいのですが、病院の方針によっては手術してくれない場合もあるので、それらを踏まえて事前に獣医さんと相談しておくことが大切ですね。
ただ、うちのモコミミの場合は、予約の電話をして2、3日後に手術をして貰いましたし、弟の猫はワクチン接種などを行っていなかったけど、手術当日に病院で軽く検査を済ませてそのまま手術して貰っていました。
やはり病院(獣医さん)によって様々なパターンがあるようです。
②手術前日
獣医さんから説明があると思うので、必ずその指示に従ってくたださい。
基本的に夕方以降は絶食(手術前12~18時間程度の絶食)となりますので、いつもより少し早めに晩ご飯を与えておくと良いかもです。まだ前日中であれば水は飲ませても構いません。
③手術当日
手術当日はもちろん絶食の上、水も控えておく。そして、病院に猫を預けて手術を行ってもらいます。
メスの避妊手術の場合は、1~2日の入院が必要になり、オスの去勢手術の場合は、日帰りか1日入院で済みます。
④手術後
術後数日間(オスは3日~5日、メスは5~7日程度)分の抗生剤や消炎剤などの薬が処方されることがありますので、食事などに混ぜたりして飲ませましょう。
メス猫の場合、最近は溶ける糸を使っている場合が多いのですが確認も兼ねて1週間~10日後ぐらいに抜糸の為に病院に行きます。
オス猫の場合は、ほとんど抜糸は無いと思いますが、必要のある場合に限り1週間~10日後ぐらいに抜糸することもあります。
手術後の注意点
手術が無事に終わり猫が帰って来るとホッとしますよね。ですが、しばらくの間は少し注意して猫の様子を見てあげる必要があります。
術後の猫の(精神)状態も様々です。うちのモコミミは2匹とも帰って来た時にはだだ凹みしていましたし、実家の子たちはケロッとして元気だったそうです。
傷口の保護
術後で最も注意すべきは、傷口の保護です。
数日の間は傷口が開いてしまうといけないので、猫が舐めてしまわないよう注意すると共に、あまり激しい運動はさせないようにしましょう。あと、当然のことながら術後しばらくの間はお風呂に入れるのもNGです。
病院によって様々ですが、対策として退院時にエリザベスカラーやメスの場合には腹帯を付けてくれる、または提案してくれます。もし提案してくれない場合でも、心配であればその旨を伝えれることで、それらを購入することが出来ます。
エリザベスカラーなどをしていても、多頭飼いしているご家庭では、他の猫が傷口に触れる(舐める)可能性もありますので、他の部屋に隔離するなどの対策を取る必要が出て来るかもしれませんね。
もし傷口が開いてしまった場合には、すぐに病院に連れて行ってください。
食事や排尿・排便のチェック
それぞれ個体差はあるのですが、2~3日は食欲がすぐれなかったりする場合があります。
また、術後に抗生剤を飲ませたりすることで下痢や便秘になったり、手術自体や入院またはエリザベスカラーなどの装着生活によってストレスが溜まり排尿パターンが変わることもあります。
いずれの場合も一時的なものであれば問題ありませんが、しばらく様子を見て、もしもそういった状態が長引いているようなら、獣医さんに相談するようにしましょう。
避妊・去勢した猫の注意点
デメリットのところでも書きましたように、個体差はあるものの避妊・去勢した猫は太りやすくなる傾向にあります。
猫のホルモンバランスが崩れ、性的欲求がなくなり食への欲求のみとなってしまうのです。
うちの場合、モコは特に変わりませんでしたが、ミミは食欲が旺盛過ぎて太りやすい体質となりました。
肥満になると糖尿病など様々な健康リスクを負ってしまいますし、理由はハッキリとしていないまでも尿路結石など下部尿路疾患の発症リスクも高まるとのことです。
手術前に食べていた物よりもカロリーが低くくて、下部尿路対策がなされているキャットフードにすると良いかもしれません。また、各メーカーから避妊・去勢した猫用のキャットフードも販売されていると思うのでそういったものに変えてみるのも良いかと思います。
うちでは、ピュリナワンの低脂肪・低カロリー(同社比)で下部尿路対策もされている「避妊・去勢した猫の体重ケア」や「室内飼い猫用インドアキャット」を与えていますよ。

避妊・去勢手術後に猫の性格が変わる!?
避妊や去勢手術を行ったら、猫の性格が変わったという話はよく聞きますよね。
うちの場合は、モコにはあまり性格の変化を感じなかったのですが、ミミはそれまでモコと仲良くやっていたのが、モコに対してちょっと怒りっぽくなりモコを遠ざけるようになった気がせんでもないです。
まぁそれは、モコがミミに構い過ぎている為に、ミミが嫌気を指しているだけかもしれませんが(泣)

で、実際はというと、避妊・去勢手術することによる猫の根本的な性格への影響はほとんど無いとされています。
術後に性格が変化したと感じるのは、実は性格ではなくホルモンバランスによる行動パターンに変化が起こっていると考えられているようです。
ちなみに、手術を終えて帰って来た直後に、気性が荒くなっただとか、なんだか大人しくなったというのは、見知らぬ場所で見知らぬ人たちに囲まれ、まだその警戒心が解けていない、または意気消沈しているという一過性のものに過ぎません。
穏やかになる
まず、メリットのところでも書いたように、オス猫は去勢することで攻撃性が緩和されると言われています。
避妊・去勢手術によって、オスは男性ホルモンが減り、メスは女性ホルモンが減ることで、それぞれのホルモンバランスは均等に近づきます。
よって、オス猫はややメス寄り、メス猫はややオス寄りの行動を取るようになるのです。
オス猫であれば、縄張りやメスを奪い合うような喧嘩が少なくなり、オス同士でも一緒に過ごせるようになりますし、メス猫であれば、猫はメス同士で集まることが多いにも関わらず、単独で行動することが多くなったりするそうです。
避妊・去勢後に、猫が穏やかになったと感じるのは、攻撃的にもなる性質の男性ホルモン要素が減少した為なのです。
ですが、行動パターンにそういった変化があったとしても、オスメス共に根本的な猫の個性と言いますか、性格自体は何も変わっておらず、別の猫のようになってしまうことも当然ありません。
甘えん坊になる
手術する前よりも猫が甘えん坊になる。
これはメス猫に多く見られる現象のようで、避妊手術によって、子作りに興味を失うことで他の猫に興味がなくなり、その反動で飼い主に興味を抱いて甘えてくることが増えるそうです。
ミミはこれかもしれないなぁ(汗)
猫はオスの方が甘えん坊だとも言われているのですが、メス猫の女性ホルモンが減少し、男性ホルモンとの割合が均等に近づくことで、そんな甘えん坊なオス猫にやや近づき、メス猫が甘えん坊になったように感じるのかもしれませんね。
他にも、成猫ともなればあまり甘えて来なくなったりするものなのですが、避妊・去勢した猫はオスメス共に、子猫の頃の甘えん坊で幼なさを残したまま成猫へと成長していく場合も多いらしいです。
猫の避妊・去勢について、考察とまとめ
猫の完全室内飼いと同じように、猫の不妊手術(避妊や去勢)に関しても長きに渡り賛否両論のある案件です。
様々な意見があって然りだと思います。
もちろん、猫の問題行動を受け入れることが出来る、または生まれてくる子猫のお世話が出来る環境があったり、子猫の貰い手を確実に探せるというのであれば、避妊や去勢などする必要はありません。
自然の理に逆らい猫に負担まで負わせて避妊・去勢することは、人間の都合以外の何ものでもありません・・・ですが、現代で人と猫が共存して行く上では、必要な措置とも言えます。
人のエゴだとか・・・それを言い始めると、人間が存在してはいけない、もしくは人間が住む所(特に都会)では猫は滅びるべきってところにまで行き着いてしまいます。
そんな極論を議論していても先には進めませんよね。
問題行動が多くて猫を捨てたり、増え過ぎてしまうことで殺処分されたり、その流れを誰がどのようにして止められると言うのでしょう・・・。
その方法が他に無いのであれば、人のエゴであろうが何であろうが、人間と猫が共存していくためにも、今ある最善の方法を選択するしかないのではないでしょうか。
それに、確かに避妊や去勢は、猫にとって負担を強いることでもあるのですが、悪いことばかりでもありません。
様々な病気リスクを回避することも出来ますし、事実、避妊・去勢を行った猫の方が長生きするという統計データも出ているのは先に書いた通りです。

猫に避妊または去勢をするかしないかという選択に迫られた時、道義的な問題も含めて、一度真剣に考えてみるのも良いかもしれません。
動物は命の尊さを含めて様々なことを我々に教えてくれますし、学ばせてもくれます。この問題もその一つなのかもしれません。
そして、愛猫の為、愛猫と共に暮らしていく為には、どういった選択が望ましいのか、よく考えて決めるようにしてくださいね。
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