【猫の聴覚】名前や飼い主の声は聞き分けられる?何も無い所を見る理由

何も無いところを見つめる愛猫たち

こんにちは!愛猫モコミミの飼い主レウです。

猫の耳というのは前後左右、気になる方向に耳だけ向きを変えて、じっと物音を聞いていたりしますよね。

飼い主とは別の方向を向いているにも関わらず、耳だけこちらに向けていたりする姿もしばしば見受けられます(笑)

これまで猫の味覚、嗅覚、視覚と調べて来ましたので、今度は猫の聴覚について調べてみることにしました。

猫の味覚、嗅覚、視力などに比べると、猫の聴覚に関してはあまり関心が持たれていないご様子。

ですが、実は猫の聴覚はかなり優れているようなんです。

たまに、僕たちが何も感じないのに、猫が何も無い方向を向いて警戒していたりするって事もあったりしますよね。

ど、どうしたどうした、何か居るのか!?って少々怖くもなります(汗)

それは人間が聞き分ける事の出来ない音を、しっかり聞き取っているからに他なりません。

聴覚に関しては人間はもとより犬よりも猫の方が優れているんですって!

ちょっと驚きですよね。

この記事では、そんな猫の聴覚について、猫の聴力は人間の何倍なのか、好みの音や苦手な音、何も無いところを見つめる理由、自分の名前や飼い主の声は聞き分けられるのか、白猫やオッドアイの猫の聴覚障害等々調べて書いてみました。

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猫の嗅覚は人間の何倍?犬よりも優れている?

後頭部から見る愛猫の耳

ご存知の通り猫は夜行性ですので、暗闇でも獲物の動きや周りの状況をしっかりと把握する必要があります。

その為にまず、猫は夜目が利きます。

猫の目は、ごくわずかな光を眼球の中で増幅させて、暗いところでも鮮やかに見えるようになっているんです。

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そして、暗闇でその視覚以上に力を発揮するのが、今回の主題でもある聴覚なのです。

ゆえに、猫の聴覚は五感の中でも最も優れている感覚になるそうです。

猫の聴力:可聴域と音源定位能力

では、人間や犬と比べた場合はどうなのでしょうか?

まず聴力で言えば、猫は人間の3~5倍(6~10倍とも!?)、犬に対してもその2倍もあると言われています。

さらに人間、犬、そして猫、それぞれ音を聞き取れる周波数を指す“可聴域”もかなり優れています。

人間の可聴域は約20ヘルツ~2万ヘルツ、そして犬はそれを上回る約15ヘルツ~5万ヘルツだそうです。

ここまではまぁそうだろうなぁってところでしょう。

次に猫の可聴域はというと、人間を上回る犬をもさらに上回る数値となる約30~6.5万ヘルツ(~10万ヘルツとも言われている)!

まぁ、色々と調べて見るとこの数値にはけっこうばらつきがあったのですが、聴力に続いて可聴域も猫がダントツであることに変わりありませんでした。

周波数が500ヘルツくらいの低音の場合は、それぞれさほど変わりがないようですが、高音域を聞き取る力は猫が圧倒しています。

2万ヘルツ以上の高周波音は超音波レベルなので、もはや音として認識しているかどうかも分からないレベルの物だそうですが、10万ヘルツの音にも猫の脳内に反応電位が見られたという実験結果があるようです。

また、音源定位能力(音がどこから聞こえるかを判断、特定する能力)についても、猫の耳は優れた力を持っています。

猫の耳に入ってくる音には、左右で極々わずかな時間のズレがあり、その時間の差を脳が瞬時に分析、計算して音源位置を判断しているとのこと。

猫の耳は、音源の高低や奥行きを聞き分け、その音が何処かで反射して来たものかどうかまで聞き分けるそうですよ(驚)

音源定位能力に関しても、ズレが生じる度数などといった数値に関しては、けっこうバラつきがあったのですが、犬と比べた場合には、間違い無く猫の方が優れているようです。

人間との比較に関しては、猫の方が優れていると書かれているサイトもあれば、人間の方が優れていると書かれているサイトもあり、そこはなんとも言えませんねぇ(汗)

ちなみに、猫が音を聞き取れる距離については、正確な情報が見当たらなかったものの、1キロ(数キロ)先の車のエンジン音を聞き分けたり、20m先のネズミの足音を感じ取る事が出来るといったものがありましたよ(驚)

猫が高音域を得意とする理由

何故に猫がここまでの高音域を聞き分ける必要があるのかというと、ネズミを捕らえる為だと言われています。

ネズミなど小動物の鳴き声はとても高音であり、2万ヘルツ以上の超音波クラスの音でコミュニケーションをとっているそうで、その音を聞き取る(感じる取る)為に、猫の可聴域は高音域がとても広くなっているのだそう。

いやぁ驚きですね。

玄関を開けたら、猫たちがすでにお出迎えに出て来てくれていたりする事もありますが、人の足音なんかを敏感に感じ取っているんですね。

猫が何も無いところをじっと見つめる理由

冒頭にも書きましたが、猫が突然立ち上がったて何も無い方向を見たり警戒したりすることがあるのは、人間には聞き取れない音を感じ取っているから。

うちの猫たちも、突然天井や何も無い方向をじっと眺めていたりしますもん。

人間の目に見えない何か(幽霊)でも居るの!?って思っていましたが、そうではなくてちょっぴり安心。

人間の目に見えない何かではなく、聞こえない何か、だったんだな。

ん?

え!?

う、うちにネズミでもいるのかしら・・・(大汗)

猫は男性よりも女性の声の方がお好み?

男が苦手な体で身構える愛猫ミミ

猫が男性の低い声よりも、女性の高い声の方が好きで懐きやすいって話はよく耳にしますよね。

ここにもちゃんと理由があり、別に猫は男性が嫌いってわけではありません。

上記しましたように、猫が低音よりも高音を聞き分ける能力が高いってのもありますし、そもそもが動物は高音で小さな声(音)に良い印象をお持ち、低音で大きな声(音)に対しては良くない印象を持つ傾向にあるそうなんです。

また、猫にとっての低い音は、オス猫の攻撃的な鳴き声(唸り声)だったり、天敵となる大きな動物を連想させてしまいます。

声以外でも、女性よりも男性の方が、体、足音や仕草が大きいので、猫が怖い!って感じてしまうのかもしれません。

っていうか、男性であっても、人間の赤ちゃんや小さな子供、子猫など小動物に語りかける時、低くて大きな声で話しかけるようなことってしませんよね?

それって話しかける側も無意識に、そっちの方が受け入れられやすい、その方が驚かさないで済むだろうって思っているんじゃないかな?

そう考えると、男性よりも、普段から穏やかで優しく、そして高くて聞き取りやすい声を発する女性の方が、猫は懐きやすいって話にも納得がいきます。

さらに女性は、母性本能まで併せ持っているのですから、男性は敵いませんね(苦笑)

ただ、先ほども書きましたように、猫が男性を嫌っているわけではありません。

猫に懐かれたいと思うのであれば、少し高めの声で話しかけ、荒っぽい行動や仕草を控えて、あくまでも穏やかに接してあげれば良いのかもしれません。

あとは猫と過ごした“時間”が解決してくれるハズですよ。

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猫の耳は自由自在に動かせる

イカ耳になっている愛猫モコ

猫を飼っている方ならご存知かと思いますが、猫の耳は、前、後ろ、横ってな感じで自由自在に動かすことが出来ます。

猫の耳のびらびら部分のことを耳介(じかい)と呼び、耳介には12以上とも言われる小さな筋肉があって、180度様々な方向へ耳を向ける事が可能になっているのです。

両耳を動かすのはもちろん、カメレオンの目のように片耳だけ動かしたりして、音源を探ることが可能なんですね。

さらに、猫の耳介には複雑なひだがあるらしく、それによってキャッチした音を反響、増幅させて、効率よく音を鼓膜へと伝えているのだそうです。

猫はそこまでするか!?ってほどに、聴覚機能が充実しているのです。

また、少し話しがズレてしまうのですが、猫は耳の動きによって状態や感情を表すこともあります。

猫が耳を前方に向けているような状態は、何かを発見した・興味を示している・驚いている等々の時によく見受けられますね。

耳を後方に向けている状態は、ただ単に後方で何か聞こえるだけってのもありますが、気にいらない時・怒っている時などにもよく見られます。

イカ耳はここに属することになりますね。

猫が耳を下に向けている状態は、服従心を示している時・怯えている時・怖がっている時によく見せる耳の動きです。

耳を下に向けて怖がる愛猫モコ

この写真のような見るからに可愛そうになる耳の状態(※モコを叱っているわけではありません)。

なるべく愛猫が耳を下に向けているような状態は作り出さないようにしてあげるのが、飼い主の勤めなのかもしれませんね。

叱ってしまった時などに見せる仕草でもあります。

猫をそのような状態になるぐらい叱ったとしても何の意味も無いどころか、ご自身が後悔するだけだったり、逆効果にもなりかねませんのでご注意を!

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猫は自分の名前や飼い主の声を聞き分けられる?

飼い主による呼びかけで集まって来た愛猫たち

猫って名前を呼ぶと、ちゃんとこっちを振り向いてくれたり、嬉しそうにこっちに来てくれたり、はたまた尻尾で返事したりますよね。

え?来ない?何の反応もしない!?

ま、まぁ、猫は気ままな生き物ですから、名前を呼んでもまったく無関心な子もいるかもです。

え?犬はもっと良い反応を見せる??

いやね、猫は自分の名前を呼ばれた事が分かっていても、性質上あまり大きな反応を示さないだけなのです。

でも、でもですよ、このお題「猫は自分の名前や飼い主の声を聞き分けられる?」の結論から言ってしまえば、猫はちゃんと飼い主の声を聞き分けて、自分の名前も理解しているんです。

なぜにそんな事が言い切れるのかって言うと、ちゃんと実験(調査)した方々がいるんです(笑)

その方々というのは、上智大学の行動科学者、齋藤慈子さん(総合人間科学部准教授)率いる研究チーム。

日本の飼い猫(一般家庭の猫および猫カフェの猫)を対象として、馴化・脱馴化法(同じ刺激への慣れ、新しい刺激による反応回復、異なる刺激を識別できているかを判定する実験方法)によって、調査したとのこと。

猫に3人の見知らぬ人の声を連続して聞かせて慣れさせる(馴化)、次に飼い主の声を聞かせる(脱馴化)といったテストを行ったところ、飼い主の声に何らかの反応(耳を向ける・振り向く・鳴く・しっぽを振る)を示したとのこと。

また、同居している猫の名前や、対象となる猫の名前とアクセントの似た異なる一般名詞4つを飼い主の声で聞かせた後に、飼い主が猫の名前を呼んだ場合にも、何らかの反応を示す猫が多かったとのことです。

さらには、飼い主の声では無く第三者の声で猫の名前を呼んだ場合にも、飼い主が呼んだ時ほどではないにしても反応は示したそうです。

そういった調査によって、猫は飼い主の声と自分の名前を聞き分ける事が出来ているという可能性が示されたとのこと。

うんまぁ、名前と似た音でも猫たちは尻尾を振ったり振り向いたりすることもありますので、ただただ音源に反応しているだけって事もあるかもしれませんが、確かにしっかり名前を呼んであげた時の方が猫たちの反応は良いです。

愛猫ミミと実家ココちゃんに至っては、自分の名前が呼ばれた時のみに、にゃ~っと甘えた声で鳴きますからね~♪

先ほど猫を怖がらせるほど叱っても意味がないって事を書きましたが、猫の名前を呼んで叱るのもNGですよ。

自分の名前を聞き分けられるだけに、名前=怒られる(怖い・危険)って認識してしまう可能性も。

猫は怖かったことや嫌だった事に対しては、執拗過ぎるほどに記憶しちゃいます。

自分の名前が恐怖の対象になるなんて、そんな悲しいことはありませんからね・・・。

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白猫やオッドアイの猫には聴覚障害が?

キジシロなので白い部分の多い愛猫ミミ

猫の聴覚を調べている上で、僕としては猫の優れた聴力よりも驚いたのが、この白猫やオッドアイの猫に聴覚障害をもつ子が多いという話。

これはけっこう有名な話しだそうですが・・・。

体の部位に色のある有色猫と比較して、全身が真っ白な白猫は聴覚障害を持っている確率が高いとのこと。

え!?なんで!?って思いますよね。

そこで、ちょっとその理由なんかを調べて見ました。

白猫に聴覚障害が多い理由

多いって言われてもどれほどの確率で白猫に聴覚障害があるのか・・・。

両親が白猫であり、全身が真っ白な白猫の場合、なんと52%~96%というかなり高い確率で、何かしらの聴覚障害を持って生まれてくるそうです。

では、なぜあんなに綺麗で真っ白な白猫に、そのような事が起こるのでしょうか。

猫の白い被毛を作り出す遺伝子には、部分的に白を作る「S遺伝子」と全ての毛色を白にする「W遺伝子」があり、その「W遺伝子」こそが原因。

「W遺伝子」はメラニン細胞(色素細胞/メラノサイトとも呼ばれる)の働きをストップさせ、毛色を決める遺伝子全ての働きを覆い隠して全身真っ白にするらしい。

その結果、メラニン色素の生成が妨げられ、血管線条(色素線条)が正常に機能しなくなり、蝸牛管(内耳にあり聴覚を司る感覚器官)の外壁にある有毛細胞に異常が生じて、外からの音を電気信号に変換することが出来なり、脳に伝わらなくなってしまうのだそう。

ただ、先ほども書きましたように、白猫に聴覚障害が起こる可能性は100%ではないだけに、「W遺伝子」が関係してるのは確かなものの、その発症メカニズムに関してはいまだに解明されていません。

今のところ「W遺伝子」に何らかの調整遺伝子が関わることで有病率が変化していると考えられているそうです。

うちではじめて迎えた猫(歴代猫)ペルシャ猫のペルシャ(ペル)も白猫だったけど、何らかの聴覚障害をもっていたのかなぁ・・・。

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両目が青色、片目が青色(オッドアイ)の場合

両目が青い目をした猫、オッドアイと呼ばれる片目だけ青い目をした猫もまた、聴覚障害を持つ猫が多いそうです。

目が青い猫はどの猫にも見られるのですが、数で言えば白猫によく見られるとのこと。

青い目というのは、これもまた白猫が白猫になった原因の「W遺伝子」が関係していて、白猫の被毛同様にメラニン細胞(色素細胞)が抑制されることで、眼の色素が欠乏している為に起こります。

なので、真っ白な白猫で、両目が青い場合には両方の耳、片目が青い場合には青い目と同じ側の耳に、何らかの聴覚障害を発症しやすいと言われています。

ちなみに、子猫時代は目が青い色をした猫が多いですよね。

それはキトンブルーと呼ばれ、子猫の頃はまだメラニン色素が沈着していない為に青色に見えるそうです。

ゆえに、ほとんどの子猫の場合、成長していく過程でメラニン色素が沈着して、段々と色が変わって来るようですよ。

そう言えば、愛猫のモコもミミも小さい頃は、目が青っぽかったっけな~(今ではモコは黄色、ミミは緑っぽいヘーゼル?)。

猫の聴覚について、考察とまとめ

何も無い暗闇の方をじっと見ている愛猫モコ

以上、今回は猫の聴覚について調べて見ました。

いやぁ猫の優れ過ぎる聴力には驚きですね。

地獄耳?な猫に対して、小声でも下手な事は言えないレベル(笑)

ずっと奇妙に感じていた突然猫たちが何も無いところ(暗闇)を見つめるという行為が、人間には見えない何か、ハッキリ言ってしまえば幽霊とか、ではなかったところに密かに安心している僕(笑)

また、高い音を好み、低い音を苦手だという猫・・・僕は男なので女性よりは声が低いのでちょっとショックorz

猫好き男子諸君、猫に対しては恥ずかしがらず(格好つけず)に少し高めの声で話しかけましょう(笑)

そして、今までふわっとした感じ(音で判断してるぐらい?)で、猫たちは自分の名前が分かっているとは思っていたものの、飼い主である僕の声や、自分の名前をちゃんと理解しているって事が分かったのは、飼い主としてはなんだか嬉しいですよね。

それが分かっただけでも、これから猫の名前を呼ぶ時の感情もまた変わって来ます。

より愛情深く猫の名前を呼ぶようになるかも(笑)

逆に、聴覚が優れているがゆえに、音が猫にとってのストレスになるかもしれないって事は、覚えておいた方が良いのかもしれません。

猫が苦手とする低い音はもちろんの事、耳が良いだけに大きい音は苦痛でしょうし、人間でもそうですが継続的に続く音に対しても、猫はストレスを感じているかもしれません。

何か音が鳴った時、音がしている時、猫がどのような様子か確認し、もし落ち着かない様子であれば、防音対策をするなど出来る限りの対策をしてあげましょうね。

撫でながら名前を呼んであげるだけでも違ってくると思いますよ~。

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猫雑学
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この記事を書いた人
レウ

35年間猫と暮らし、今現在2匹の猫と暮らす猫バカ。地図会社、印刷会社、システム会社を経て、物作りの楽しさを知りブログを書き始める。猫を長生きさせることを目標とし猫ブログを立ち上げ、愛猫たちの出来事、猫に関する役立つ情報など、経験した事も交えながら、飼い主目線で記事を書いてます。猫以外では映画やゲームが好きなインドア派。

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