こんにちは!
当ブログ愛猫たちの飼い主レウです。
いきなりですが・・・
猫の嗅覚は鼻、視覚は目、聴覚は耳、味覚は舌・・・
では“猫の触覚”というと、皆さんはいったいどの部位を思い浮かべるでしょうか?
だいたいの方はひげ!と答えのではないでしょうか?
人間のひげとは違って動物のひげってなんだか大事な部分ってイメージありますし(笑)
他には肉球って答える方もいるかもしれませんね。
皮膚が剥き出しになっていますし、猫も前足を人間の手のような感じで見知らぬ何かに触れて確認しているような行動(僕は“ちょいちょい”と呼んでいますが)を取ったりしますからね。
実はどちらも正解(笑)
ってか、そもそも触覚ってなんぞや??
触覚とは生き物が何かに触れた時に生じる感覚のことです。
で、人間の触覚受容器官は皮膚全体となっていますね。
猫も同じく全身に触覚受容体はあるのですが、猫の触覚の受容器官の大半は「肉球」と「ひげ」に集中しているらしく、とても敏感。
で、猫の触覚と題した今回の記事では、特に敏感だと言う猫のひげを中心にして、取り上げてみたいと思います。
猫の肉球に関しては、他で記事にしていますので、そちらをご覧下さいね。
猫の皮膚感覚
って、いや、ひげちゃうんかい!
って言われてしまいそうですが、まずは猫の全身の皮膚感覚の話からしていこうかと思います。
皮膚感覚とは、触覚、痛覚、温覚・冷覚などを、皮膚の感覚点にある受容細胞によってキャッチし知覚される感覚のこと。
猫の皮膚には、大きく分けて「機械受容器」「温度受容器」「侵害受容器」の3つに分類される刺激を脳に伝達する為の受容器が存在するそうです。
皮膚に加わる機械的な刺激(叩く・引っ張る・撫でる等)関知する「機械受容器」
皮膚の温度変化(熱い・冷たい等)を感知する「温度受容器」
皮膚に加わった機械的・化学的侵害(薬品など触れてひりひりする・何かが刺さって痛い等)を感知し「痛み」として伝える「侵害受容器」
そして、それぞれに有髄で伝達速度が速い「Aδ線維」と、無髄で伝達速度が遅い「C線維」があり、さらに「機械受容器」には、接触または振動のような無害な感覚や程度の低い刺激を伝える「Aβ線維」があるとのこと。
また、「機械受容器」には、刺激に対してすばやく反応するが、すぐに興奮が収まるという「RA受容器」、逆に遅く反応するが、興奮が収まるまでに時間がかかる「SA受容器」があそうです。
やばい・・・調べててすでに挫折しそう・・・(笑)
まぁ簡単に言ってしまえば、猫の全身を覆う皮膚も人間と同様に様々な刺激を感じ取って脳に伝えているんだよ~って話ですね(汗)
猫の場合、「機械受容器」は顔や前足の先端部分に多く集まっている傾向にあるとのことです。
ってことで、それでは本題?の猫のひげについて書いていきます。
猫のひげとは?
猫の触覚器官の中でも特に重要であり敏感だとされるひげ。
他の毛よりも明らかにぶっといアレですアレ。
ってか、いやいや上記した皮膚なら感覚的に分かるけど、ひげは皮膚でも無いのに触覚器とはこれ如何にって話ですよね(汗)
猫のひげは触覚器の機能を有することから「触毛」とも呼ばれているんです。
また、毛の根本に大きな静脈洞が存在することから「洞毛」とも呼ばれたりすることもあるそうです。
まぁ「触毛」の方が僕らには分かりやすいですよね。
猫のひげは、他の毛よりも太いのは見て分かりますが、他の毛よりも皮膚にかなり深く埋まっている(表面から約4mmほど、体毛よりも3倍近く深い)のが特徴となっています。
猫のひげの長さは約5~12cmぐらいで、若い猫ほど長く、年を取るほど短くなっていきます。
そして、猫は生まれる前、子宮の中にいる時に体毛よりもまずひげを生やすことを優先させ、生まれたての状態ではまだ体毛はあまり生えていないのに、ひげだけはしっかり生えているんですって!
生まれたての時はまだ目も耳も機能していませんが、ひげによってある程度は周囲にあるものを感知出来るようになっているんですね。
そういった事からも、猫にとってひげがいかに重要なのかお分かり頂けるかと思います。
猫のひげの位置と役割
猫のひげの毛根部分には感覚神経や血管が集中していて、とても敏感でセンサーのような存在となっています。
人間の毛幅の2000分の1が動いただけでも、電気信号が発生し瞬時に察知する能力を備えているとのこと。
ゆえに微妙な空気の流れを敏感に感知し、周囲にあるものの存在や距離感、温度変化などを感じることができ、平衡感覚を保つ事が出来るそうなのです。
それってかなり凄い事ですよね!
なので、天敵が現れた際にはすぐに警戒態勢を取る事ができますし、そんな敏感なひげセンサーと夜目の利く視覚、猫の五感で最も優れている聴覚を併せて活用することで、夜行性の猫は暗闇の中でも自由に行動できるってわけです。
視覚や聴覚は別で記事を書いていますので興味があればご覧ください↓
また、猫のひげというか触毛は口の上だけに生えているワケではありません。
猫を飼っている方であればお気付きの方も多いと思いますが、アレ?こんなところにひげのように太い毛が生えてんじゃん!って思った方もいらっしゃるかと思います。
実は猫のひげ(触毛)は、猫の顔のあちらこちら(5ヶ所)&前足(1ヶ所)にも生えているんですよ~(笑)
猫の体全体のひげの本数は約50~60本あるとも言われているそうです・・・そ、そんなにあったかな??(笑)
- 眉上毛(目の上):目や頭の上の障害物など危険を察知
- 上唇毛(口の上):通り抜けることが出来る幅かどうかを判断
獲物の生死・新鮮かどうかを判断
目を閉じる時に異物が入らないか確認
感情表現 - 下唇毛(あごの下):顎を傷つけないよう顎の下の危険や障害物を察知
- 頬骨毛(頬骨の上):顔の横の危険を察知 ※生えていない猫も居る
- 口角毛(口の端):顔の横の危険を察知 ※生えていない猫も居る
- 手根触毛(前脚の親指の少し上):※役割はハッキリ解明されていない
獲物の捕捉補助?
木登り補助?
地面の危険をより早く察知?
自分自身の速度メーター?
退化中の痕跡器官?
上唇毛が、猫のひげと言えば皆さんが一番最初に想像する所に生えているひげであり、猫のひげの中でも一番役割の多い箇所になります。
頬骨毛に関しては、それほど重要な役割を果たしておらず、口角毛についても猫のひげの中で最も抜けやすい箇所である為、生えていない猫も居ます。
もしも、「うちの猫にはそんなの無い!」って場合も、特に心配する必要はないのでご安心を。
猫のひげの構造
空気の流れまでをも敏感にキャッチする猫のひげとは、いったどういった構造になっているのでしょうか?
猫のひげ最大の特徴としては、ひげの根元に静脈洞という血の溜まっている場所があるという所。
静脈洞内には、血圧変化や毛の動きに応じて動くと考えられている洞毛特有の輪状塊というモノがあり、そこには神経終末(神経細胞体から伸びた軸索の末端部分)が付いていて、ひげの根元に生じたわずかな動きを脳に伝えていると考えられているそうです。
洞毛の毛根は皮膜で二重に包まれていて、毛軸を包む毛包には少なくとも形の異なる6種類の神経終末が確認されているとのこと。
それらの神経終末は、周辺組織の変形を感知する機械受容器であり、それぞれの形に応じて伸縮や圧迫など各々に感知しやすい刺激があるものと推測されているそうです。
受容された刺激は電気信号に変換され、最終的に大脳皮質に投射されます。
猫の大脳皮質にはひげの配列に応じた感覚地図のようなものがあり、「バレル」と呼ばれる神経細胞の集団が、投射された情報の処理を行うそうです。
はい、再び頭がパンクしそうですね(汗)
ひげの根元には、それぞれの刺激を感知する神経が集中している液胞(血の溜まり場)があって、そこで刺激を敏感に感知して脳に伝えてるって感じでしょうかね(苦笑)
猫のひげを切ったり抜いたりしても大丈夫?
猫のひげを切ってはいけないと何処かで聞いたことがあるかもしれません。
昆虫の触角なんかも抜いてしまうと平衡感覚を失ってしまうイメージがありますが、それと同じ感覚で捉えている方もいるかもしれませんね~。
結論から言ってしまえば、猫のひげを抜いたり切ったりしてはいけません!
ラットを対象に行った研究では、ひげを切ってしまうことにより、細胞を酸化させてダメージを与えてしまう活性酸素が増加したという報告もあります。
ここまで書いてきましたように、猫にとってひげはとても重要な役割を果たしています。
もしひげが無くなってしまったら、平衡感覚を失い、狭い場所を通り抜けられるかどうか分からなくなってしまったり、暗闇などで周囲の状況を感知することが出来なくなるなど、上記した能力が果たせなくなってしまい猫の能力が低下してしまいます。
猫は非常にストレスに弱い動物、ひげを切られたり抜かれてしまったストレス、さらにはそういった猫の能力を発揮できない事へのストレスも計り知れません。
神経質な猫だった場合、ひげを無理に抜かれたことで生きる気力をなくしてしまい、軽い「うつ」状態になる猫もいるそうです。
また、上記しましたように、猫のひげは深く埋まっていて根元には神経が集中している箇所があり、引っ張ったり抜いたりすると、激しい痛みを感じてしまいますので、引っ張るのもやめましょうね。
自然に抜けてしまう場合
猫のひげが抜け落ちているのを見つけることってよくありますよね?
では、自然に猫のひげが抜けてしまうのはどうなのでしょうか?
猫のひげは、体毛のように頻繁には抜けませんが、半年に一度ほど生え変わるタイミングがあり、新しいひげが生えて来た時に古いひげは自然と抜け落ちます。
なので、故意ではなく勝手に抜けてしまう分には、自然現象ですので問題ありません。
ただ、何もしていないのに猫のひげがやたらと抜けているだとかって場合には、病気(猫ニキビ・猫エイズ)だったりストレスを感じている可能性も捨てきれません。
飼い主さんが普段とは違うと気になるぐらいに、猫のひげがポロポロ抜け落ちているのであれば、病院などで獣医さんに相談してみると良いかと思います。
ひげで表現される猫の気持ち
鳴き声、尻尾の振り方、座り方など、猫の気持ちや状態が表現される行為はいくつかありますが、猫のひげの動きもまた猫の気持ちを汲み取るヒントとなります。
まぁ、どの仕草も気持ちを読み取ると言うには例外も多く確実とは言えませんし、色々と調べていると、けっこう違った事が書かれていたりもしますので、あくまでも参考までに(笑)
当ブログでは、そういったモノを参考にしながら、猫を飼っている僕自身の感覚も踏まえて、猫のひげの向きによる猫の気持ちを、うちの愛猫の写真と共にご紹介します。
[ひげが横向き:平常心・リラックス]
[ひげが下に垂れる:調子が悪い・リラックス]
[ひげが上向き(山なり):ご機嫌・満足]
[ひげが前方に向いている:興奮・興味・警戒]
ちなみに、ご飯を食べる時には、食事がひげに付かないように後方に引きつけていたりしますね。
食事そのものや食器にひげが当たるのをストレスに感じる猫もいるらしいです。
この他、猫の気持ちが分かるとされる鳴き声についても記事にしていますので、興味があればご覧ください。(※そこから猫の気持ちを汲み取る事の出来る尻尾の振り方、座り方にもリンクを辿れば行けるようになっています。)
猫のひげは幸運を呼ぶ?
僕はけっこう縁起物が好きだったりします(笑)
それによって何かが叶ったりすることって、なかなか無いんですけども、なんだか良い事あるかも♪って希望が持てたりもしますからね~。
猫の場合にも、体表的な招き猫をはじめてとして、幸運をひっかけてくれる猫の“かぎしっぽ”だったり、縁起が良いとされる言い伝え?がありますよね。
今回のテーマでもある猫のひげにもそういったお話があるようで。
この記事を書くまで、僕はそんな事まったく知りませんでした(有名な話なのかな?)
アメリカでは白猫を見ると縁起が良く、夢に出て来ると良い事が起こると言われています。
まぁ白い生き物は猫に限らずそんな風に言われていますよね。
ヨーロッパでは、猫は魔女の使い魔とされる反面、イギリスやスコットランドでは、言い伝えとして黒猫は幸運をもたらすとされています。
猫のひげが縁起物とされる理由は定かではありませんが、上記したように各地で様々な面で猫が幸運をもたらすと考えられている事から、そんな猫の象徴にもなるひげを持ち歩く事で、御守りになるとされているのかもしれません。
日本では、昔から猫のひげはお守りになるとされ、お財布に入れておくと、金運がアップするらしいです。
ちなみに、黒いひげは厄除けになるらしい。
ヨーロッパでは、黒猫が魔除けになるだとか言われていたり、猫のひげは恋愛のお守りとして重宝されているそうですよ~。
僕ら猫好きからしたら、猫のひげを持ち歩く事で愛猫と一緒に居る気分を味わえるので、それだけでもハッピーな気分になれるかも(笑)
だからといって、猫のひげを無理に抜いたりしたにようにしましょうね!
猫のひげを切ったり抜いたりしてはいけないってのは先ほど書いた通りです。
っていうか、金運や恋愛運アップの御守りとして効力を発揮するのは、あくまでも自然に抜け落ちた猫のひげのみだそうですよ。
いままでは猫のひげが抜け落ちているのを発見したら、そのひげを使って愛猫の鼻をこちょこちょしたりイタズラするだけでしたが、これからはお財布に入れて大切に扱わせて頂きます(笑)
ちなみに、猫のひげを大切に保管しておく為のグッズなんかも売られてたりするので、興味のある方は探して見ても面白いかもしれませんね(笑)
猫の触覚(ひげ)について、考察とまとめ
猫のひげは超敏感なセンサー。
猫のひげは抜いたり切ってはいけない。
そう何処かで耳にした事から、猫のひげってきっと大切なモノなんだろうなぁって、ぼんやりとは思っておりました。
ですが、実際に色々と調べてみて、猫のひげは「猫の第三の目」と言って良いほど、ハッキリと重要な存在だと分かりました。
これまで、猫の五感(味覚・嗅覚・視覚・聴覚)と調べて記事にして、今回の触覚(ひげ)を含め、猫にとって何一つ欠けてはいけないモノなんだと気付かされました。
それぞれが機能してこそ猫の能力が発揮される。
猫は生きていける。
そんな当たり前の事を、今一度確認出来たように思います。
そして、猫の体や機能、能力を知れば知るほど、猫のパーツや仕草などが愛おしくなってくる不思議(笑)
猫のひげが前方に向いていたり、バッと広がっていたり、猫たちがそれで周囲の状況を確認しているって思うと・・・もうたまらなく可愛い(笑)
え!?僕だけ!?
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