こんにちは!レウです。
猫はよく毛繕いをする綺麗好きです。
起きている間の10%~30%もの時間を毛繕いに当てるのです。
毛繕いをして飲み込んだ毛は、通常なら胃から腸を通って便と一緒に排泄されるのですが、それだけ毛繕いをすると流石に全てとはいかず体内に残ってしまいます。
それを猫は口から吐き出します。
長さ数センチ程度の毛の塊を吐くわけですが、それが毛玉(ヘアボール)と呼ばれるもの。
猫が毛玉を吐く行為を初めて見たり、それが何日かに一度起こったりすると、何かの病気なのかと思うかもしれませんね。
ですが、毛玉を吐くことは猫にとって正常で必要な行為であり、逆に毛玉を吐いてくれない方が心配すべき状態と言えるのです。
猫が毛玉を吐き出せなくなり、体内に毛玉が溜まってしまった状態のことを毛球症と呼びます。
この記事では、猫が毛玉を吐き出せなくなる毛球症について、症状や原因、予防方法、毛玉対策などを書いてみたいと思います。
猫の毛球症とは?
冒頭にも書きましたように、猫は毛繕いの際に飲み込んだ毛を、通常ならば便と一緒に排泄したり、毛玉を嘔吐、吐き出したりするのが普通です。
ですが、そんな毛が体内、消化器官内に残ってしまい、それを排泄したり吐き出せなかったりして、毛が塊状(毛玉)になって残ってしまう状態のことを毛球症と呼びます。
体内で大きな塊となってしまった毛玉は、排便したり嘔吐して排出することが困難となってしまう。
ただ、毛玉を吐かないからと言って、すぐに毛球症だって話ではありません。
毛玉を吐く頻度は、短毛、長毛、毛質によっても違うだろうし、それぞれの猫によって違って来ます。
週に数回毛玉リバースする猫もいれば、しっかり便と一緒に排泄出来ている猫なら、あまり吐かない猫や、希に毛玉リバースを全くしない猫なんかもいるようです。
猫が毛玉を吐かずに心配だと感じているのであれば、一度うんちを確認してみてください。
うんちに毛の塊みたいな物が紛れ込んでいれば、呑み込んだ毛はしっかりと排泄されているので大丈夫ですよ。
猫が毛玉を吐かず(排泄せず)、下記のような症状を伴う場合には毛球症を疑ってください。
猫の毛球症の症状(判断)
- 食欲不振
- 食べてもすぐ吐き戻す
- 吐こうとするが吐けない
- 便秘
- 下痢
- お腹を触られるのを拒絶する(怒る)
これらは、猫の胃の中で毛が塊となって来た頃の初期症状となりますので、毛球症かどうかの判断材料にしてください。
毛球症が軽度な場合であれば、毛球除去剤などを舐めさせたりして、毛玉をなるべく体外へと排出させるようにします。
また、食欲不振や下痢・嘔吐などが続いてしまうと、脱水症状を引き起こしてしまいます。
猫は水分をあまり取らない動物でもありますので、脱水症状には要注意です。
下痢や嘔吐が続いているのであれば、しっかりと水を飲ませるようにしましょう。
毛球症が重篤となってしまった場合には、毛玉が腸に詰まってしまっての腸閉塞や、腸を傷つけてしまっての腹膜炎などを引き起こすこともあり、最悪の場合には命にも関わって来る。
こういった状態にまでいってしまうと、もはや毛球除去剤などでも効果が見られないので、胃や腸を開いて直接毛玉を取り出す開腹手術を行うことになります。
たかが毛玉ぐらい・・・と侮ってはいけませんね。
余談となりますが、昔、うちで猫を飼い始めた頃、近所の知り合いが飼っていた猫が毛玉(おそらく毛球症)で亡くなったと聞かされたのをぼんやりと覚えています。
うちの初代猫はペルシャ猫だったので、それを聞いてから、毛玉にやたら気を使っていた記憶がありますね(汗)
今は毛玉対策商品が数多く存在しますので、そこまでって話なのかもしれないけど、体内の毛玉、毛球症を放っておくと大変なことになってしまうのは間違いありません。
猫の毛球症の原因とは?
猫の毛球症とは、体内に蓄積した毛が嘔吐や排便によって上手く排出できずに、どんどん溜まって毛の塊(毛玉)が大きくなり、胃や腸などの消化管内に溜まってしまう状態を指します。
つまり、その原因は、猫の飲み込む毛の量が多く毛玉を排出するのが追いつかない、何らかの原因で毛玉を上手く排出できていない、といった場合に毛球症へと繋がってしまうところにあります。
そこで考えられる毛球症へと繋がってしまう原因は以下の通りとなります。
ブラッシング不足
猫の毛玉は毛繕いによって飲み込んだ毛が体内で固まり、ボール状、フェルト状になったものですので、ブラッシングの不足によって毛を飲み込む量が増えてしまえば、体内で毛玉が出来る確率は高くなり毛球症になる可能性が大きくなります。
よって、毛が入れ替わる時期でよく毛が抜ける換毛期の猫や、毛が長く必然的に飲み込む量が多くなる長毛種の猫は、特に注意が必要となりますね。
胃腸の働き低下
猫が老猫だったり、または、何らかの病気や腸内環境の悪化によって胃腸の働きが低下していると、飲み込んだ毛をうまく吐き出すことが出来なくなります。
また、便秘になってしまうと、体内で毛玉が溜まりやすくなり、毛球症を引き起こしてしまうことがありますので、毛玉対策としても腸内環境を整えてあげることは重要となります。
ストレスによる過度なグルーミング
猫は神経質な動物でもありますので、ちょっとした環境の変化や構って貰えないなど様々な理由でストレスを感じ安。
ストレスが溜まると猫はグルーミング(毛繕い)することで自分を落ち着かせようとします。
グルーミングが過剰になれば、当然飲み込む毛の量も増えてしまうので、排出しきれない量になると体内に残ってしまい毛球症を発症してしまいます。
猫の毛球症の予防、毛玉対策
猫の毛球症予防(毛玉対策)は、基本的には上記した原因への対策を取ることが最優先となります。
- こまめなブラッシング
- ストレス除去
- 毛玉ケアに適したキャットフードの選択
- サプリメント
- オリーブオイル
こまめなブラッシング
こまめなブラッシング、これが毛球症予防の基本です。
換毛期だったり、特に長毛種の猫には必須ですね。
あらかじめ毛の量を減らしてあげることで、必然的に飲み込む量を減らせるので、毛玉や毛球症の予防となります。
こまめにブラッシングをすることで、毛球症だけではなく、毛玉リバース(嘔吐)などの対策、毛艶・毛並みの改善、猫とのスキンシップにもなりますので、猫のストレス対策にもなるし、猫の状態を確認するのにも良いです。
ただ、ブラッシングを嫌がる猫もいて、そういった猫には逆にストレスになってしまうので、無理矢理ブラッシングするのは止めてあげて下さいね。
短毛種であるのなら2日に1回~毎日1回、長毛種なら毎日1~2回を目安に、ブラッシングしてあげると良いでしょう。
また、ブラッシングが好きな猫であれば問題ありませんが、嫌がるような猫の場合は1回につき3分ほどで終わらせましょう。
ストレスの除去
原因のところでもお話したように、猫は様々な理由でストレスを溜め込んでしまいます。
ストレスの反応も様々で、その一つが毛球症の原因ともなり得る過度なグルーミングとなってしまうことがあります。
ストレスの原因を突き止めるのは簡単なことではありませんが、過度なグルーミングが始まった辺りに、何か環境が変わったりしたことがないか、一度振り返って考えてみましょう。
部屋の模様替えをしたとか、大きなヌイグルミを置いたとか、どんな些細なことでも考えられる要因があれば、一つ一つ改善し潰していってあげてください。
こればっかりは病院へ行っても「ストレスですね・・・」で終わってしまい、原因は教えてもらえませんので、飼い主である我々が原因を突き止めるしかありません。
適したキャットフードの選択
今お使いのキャットフードに毛玉ケアがなされているものがあればそれに変えるか、食物繊維が豊富に含まれているものにすると良いです。
ただ、便秘になると毛玉が胃に長く留まってしまい固まりやすくなりますので、食物繊維と言えども便秘になりやすいビートパルプはなるべく避けた方が良いかもしれませんね。
食物繊維には不溶性繊維と水溶性繊維とがあり、毛玉対策としては不溶性繊維(粗繊維)が重視されている傾向にありますが、便秘や腸内環境のことを考えた場合には、そのバランスが重要となりますので。
高齢猫の場合には、胃腸の働きが低下して毛玉を上手く排泄できていない可能性がありますので、消化吸収の良いフードを与えるようにしましょう。
これもまた、今お使いのキャットフードに高齢猫用のものがあればそれで良いかと思います。
腸活サプリメント
良さそうなキャットフードを切り替えたのに効果を実感出来ない場合や、それだけでは心配という方は、猫用の腸活サプリメントを試してみても良いかもしれません。
腸内環境の健康を維持できれば、弱ってしまった消化吸収能力を高めることができ、便秘を防ぐことに繋がりますので、毛玉がお腹に溜まってしまうのを防いでくれます。
高齢な猫にとっては、年々弱って来る腸の働きを健康に保てるので、これまた毛玉対策にも良いですね。
しっかり生きたまま腸にまで届く乳酸菌や、猫が消化を苦手とする穀物や食物繊維の消化をサポートする酵素が配合され、腸内環境の健康を維持するサプリメントなんかもありますので、試してみても良いかもですね。
オリーブオイル
猫の便秘にも有効であるオリーブオイルは、毛玉対策にも有効となります。
オリーブオイルは自然界の下剤としても有名ですので、猫に与えても大丈夫。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸が腸を活性化させ、スムーズに便を排出してくれる潤滑油の役割を担ってくれ、さらに猫の必須アミノ酸が含まれるので健康にも良いというね!
与え方は、スプーン半分または1杯程度を、そのまま舐めさせるかキャットフードにかけると良いです。
ただし、与えすぎると逆に下痢となってしまいますし、高カロリーなので肥満の原因にもなりかねません。
その辺は十分に注意が必要で、オリーブオイルを常用化するのは良くないということです。
個人的におすすめしない毛玉対策
これはあくまでも個人的な意見ですので、「なんだレウはそう思っているのか」「色んな考えの人がいるんだな」ぐらいにとどめてもらって構いません。
猫草
猫が猫草を食べる理由は実はよく分かっていないらしく、便秘を防ぐ為、ただ食感が良いから、ビタミン摂取等々諸説ありますが、毛玉を吐くためではないかってのが有力だそうです。
尖った草を食べることで、胃がチクチク刺激されて毛玉を吐き出しやすくなるって話ですが・・・ハッキリしていないので微妙ですね。
猫によっては猫草を全く食べない子もいるし、猫草を食べても吐かない子もいるので・・・その効果のほどは、やはり微妙かと。
理由や効果がハッキリしていないだけに、猫草に頼りすぎるのは良くない気がします。
とりあえず、猫用のものであれば害はないとのことですし、猫草が好きな子もいるので与えるのは構わないと思いますが、肉食の猫は植物を消化出来ませんので、与えすぎには注意して下さいね。
毛玉除去剤
毛玉除去剤も個人的には平素から使用するのはどうかと思っています。
確かに、毛玉除去剤は一定の効果があり、うんちと一緒にしっかりと毛玉を排泄してくれます。
そして毛玉除去剤自体も、猫の体内に吸収されることなく流れ出て行くという毛玉排泄に特化した代物です。
ただ、吸収されないにしても、毛玉除去剤に含まれている成分が石油系の成分だったり、人間が手に塗ったりする物が使われていて、やはり口にするようなものではなく、そこは毛玉対策として割り切って使うしか無いという・・・。
また、毛玉除去剤は軽い下剤のようなものであり、長期に渡って使うと他の栄養の吸収も妨げてしまい栄養不足になる可能性がある。
なので、普段から毛球症予防として使用すべき物ではないなこりゃ・・・と判断したまでです。
もちろん、緊急時や毛球症にかかっていると確信していたり、お医者さんから処方してもらった上で使うのであれば問題はないと思いますが・・・。
猫の毛球症について、考察とまとめ
猫界では日常的に行われる毛繕いと毛玉リバースですが、たかが毛玉と侮ってはいけません。
毛球症になってしまうと最悪の場合、死に至ることだってあります。
特に愛猫が長毛種であれば要注意ですので、必要な予防対策を施してあげてくださいね。
ただ、上記しましたように、オリーブオイルや猫草、毛玉除去剤など、猫に毛玉を吐かせるのに有用な物はいくつかありますが、その扱い方には十分に注意してほしいですね。
個人的には、毛玉対策にはこまめなブラッシングと適切なキャットフードで対応するのが、一番良いのかなぁって思っています。
うちの歴代猫たちは、それで毛球症にまで至ってしまうこともありませんでしたので。
今までしていた毛玉リバースをしなくなった、逆に嘔吐の数が増えた等々、どんな些細なことでも愛猫を一番よく知るあなたがいつもと違うと感じたなら、動物病院で診て貰うのが確実ですよ。
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